植草さんがアドバイス、婚活の「迷路」を抜けるには?

 千夏さんは、男性の年齢範囲を50歳にまで広げ、何人もの方とお見合いをしていました。一回り以上年上の方とも、5人以上はお見合いをしたと思います。しかし、やはり年が離れ過ぎていると、共通の話題を見つけたり、価値観を擦り合わせたりすることも一苦労。

 もちろん、年の差婚で幸せになっているカップルもいますが、彼女の希望――将来的には子どもを育て、自分の父親ともいい関係を築いてくれる年収1000万円の男性――を満たすためには、やはり年齢差は一回り(12歳)までが私はおすすめです。

 千夏さんの場合、最初から条件や優先順位はハッキリしていたものの、彼女が選んでお見合いをする男性たちは、なぜか「彼女の結婚観に沿う男性ではない」という課題がありました。

 そこで私は、彼女にこう伝えました。

 「千夏さん、あなたはもともと、どういう結婚生活を送りたいと思っていた? これまでお見合いをしてきた男性は、あなたが一生懸命考えた将来設計を、一緒にかなえていける相手? 年が一回り以上も離れていたり、年収が1000万円以下だったりすると、その夢を現実にするのは難しいと思わない? それに、あなたが大切にしていることは、年齢や年収だけじゃないはず。もう一つあったよね?」

 私は、千夏さんのもともとあった条件を、整理するように言いました。そして、何日かたって会った時には、千夏さんは自分の答えを見つけていました。

 「家庭的で、家族を大事にしてくれる人と結婚したいです」

 どんなに賢くても、どんなに冷静でも、道に迷ってしまうことはあります。これからの人生を左右する「結婚」という決断であればなおさら、当初の希望を見失ってしまうこともあるでしょう。

 そんなときは、彼女たちの軌道を修正し、もとの道に戻してあげることが婚活アドバイザーの役目。本来の目的を再確認して、自分の現在地をしっかりと把握すれば、今度は道に迷わず進んでいけるのです。

 千夏さんも、自分が求めていたことを再確認したことで、将来を一緒に歩んでいけるパートナーと出会いました。

出会いから1カ月、40歳の包容力ある男性とスピード婚

 彼女が結婚したのは、包容力のある40歳の男性。二人は1回目のデートでお互いの結婚観を確認し合い、2回目のデートで、将来を共に歩んでいける人だと確信。

 千夏さんが学生のうちは、彼女の生活費を負担することも喜んで引き受けてくれ、父親とも良好な関係を築いてくれる思いやりのある男性と成婚を果たしました。

 「婚活」は、いうなれば「就活」のようなもの。「計画的」に婚活を進めて、より自分にぴったりのパートナーを求めることは、幸せになる方法の一つです。もしも「結婚したい」と望むなら、千夏さんのように結婚相談所を通して婚活することも、賢い選択だと思います。

 なぜなら結婚相談所に登録している男性は、「結婚したい」と思っている人がほとんどだから。付き合っている彼氏の結婚に対する意志が分からず、「私、いつか結婚できるのかな?」と不安になったりするようなことは少なく、千夏さんのように出会いから1カ月ほどでスピード婚する人もいます。

 千夏さんは、学校を卒業して看護師として働いた後、勤め先の病院の産休・育休制度を利用して、子どもを産み育てたいと語ってくれました。

 将来設計を共有した上で結婚した相手は、同じ目的と目標を持つ、かけがえのないパートナー。お互いに新しく家族となったパートナーの存在は、仕事や人生の糧になるはずです。

 今回も女性側からのエピソードお送りしていますが、男性のほうも同じように感じていると、私は思います。

◆今回の教訓◆

・条件や優先順位、結婚後のライフプランを明確にすると、成婚率はアップ!

・婚活をする中で道に迷ったら、闇雲に突き進まず、本来の目的を思い出す。

・「戦略的」「計画的」に婚活を進めることは、幸せになる方法の一つ。

計画的に婚活を進めて、「戦略婚」をするのもアリかも? (C)PIXTA
計画的に婚活を進めて、「戦略婚」をするのもアリかも? (C)PIXTA

聞き手・文/青野 梢 イラスト/田中小百合、PIXTA