一時帰国をする時は、10人とお見合い

 結婚への意思は固まった奈央さんですが、一方で彼女には不安もありました。婚活のために頻繁に日本に帰れるわけではなかったので、「本当に相手を見つけられるのだろうか?」という思いを、拭い去れずにいたのです。

 海外で暮らす奈央さんにとって、この不安は無理もないことだと思います。日本にいてすぐにお見合いをする機会があれば、結婚を身近に感じることもできますが、海外にいてパートナー候補の男性と会う機会がない状態では、結婚に対してリアリティーを持てなくても仕方がないと思うからです。

 そこで今度は、奈央さんが次に一時帰国をするタイミングに合わせて、お見合いをセッティング。2週間のうちに10人の方とお見合いをする段取りを組んで、結婚に対するリアリティーを持ってもらうことにしました。

おうちデートで居心地の良さを実感して結婚へ

 こうして、帰国時に10人の方とお見合いをした奈央さん。彼女は「自分の仕事や生活環境を理解してくれる男性かどうか」を見極めながらお見合いを進め、ある一人の男性と意気投合。

 この男性と、海外に戻ってからもメールや電話で連絡を取り合い、再び一時帰国した時にはデートを重ねるなどして、順調にお付き合いを深めていきました。

 お相手の方は、将来的には海外進出も視野に入れているという、38歳のコンサルタント。奈央さんの海外勤務にも理解があり、彼女の生き方を尊敬した上で結婚を望んでくれていたので、まさに奈央さんが理想としていた男性でした。

 しかし、海外と日本の超遠距離恋愛で、会える機会が限られていたこともあり、彼女は結婚に踏み切るきっかけをつかめずにいる様子でした。

 そこで私は、「次に帰国した時に、彼の家で一緒に料理をしてみてはどう? 彼が普段生活をしている空間に行ってみれば、きっと結婚後の生活がイメージしやすくなるはずよ」と提案。

 奈央さんが結婚に踏み切るには、彼との生活を具体的にイメージしてみることがポイントだと感じたので、相手の生活スタイルが垣間見える「家」に行き、一緒に料理をする時間を取ってほしいと伝えたのです。

 そして実際に、次の帰国時に彼の家へ行った奈央さん。一緒に料理をして楽しく過ごせたことで、「この人となら無理をせず、居心地の良い結婚生活が送れそう」と実感し、彼との結婚を決意。

 彼女の赴任期間中は別居婚を選択し、その後再び海外勤務を選ぶのか、それとも日本で仕事をするのかは、「二人で相談しながら一緒に決めていきます」と語ってくれました。