結婚は、今よりもラクに生きるための一つの手段

 しっかり者で、自立して生きてきた奈央さんにとって、結婚は大きな心境の変化をもたらすものだったと思います。

 なぜなら、これまでは「すべて一人で決断しなければ……」と背負ってきたことを、一緒に悩んで、一緒に解決してくれる相手に出会えたから。

 一人で抱えていた課題――この先も海外で仕事をするのか、それとも日本に帰るのか――という人生の選択を、結婚したことで「パートナーと相談して決めよう」と思い直し、いい意味で楽観的に考えられるようになったのです。

 もちろん、時には一人で考え、一人で決断することが必要な場合もあるでしょう。しかし奈央さんの場合は、自分と一緒に将来を考えてくれるパートナーを得たことで、肩の荷が下りて「ラク」に生きられるようになりました。

 私は、結婚はお互いが「今よりもラクになる」ためにするものだと思っています。居心地が良く、安心できる相手と、支え合いながら「ラクに生きていく」ための一つの手段。逆に言うと、精神面でも生活面でも経済面でもラクにならない相手とは、結婚しても幸せになれる可能性は低いのではないでしょうか。

 もしかすると、真面目で努力家な女性は、自分がラクになることを「甘え」や「弱さ」だと感じてしまうかもしれません。しかし私は、頑張っている女性が「今よりもラク」になることは、甘えでも弱さでもないと思っています。

 また、結婚することで「苦労が2倍になる」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、心から尊敬する人と結婚したことで、「楽しいことやラクになることが2倍」になり、「苦労や負担が半分」になったという女性たちも、たくさん見てきました。

 奈央さんのように自立して生きてきた女性が、パートナーを得ることでラクになる。肩の力を抜いて、人生をより楽しく快適に生きられるようになる。これが、婚活アドバザーをしている私が心から望んでいることです。

 結婚は、自分が今よりもラクになるための助け合い。今回でこの連載は終了ですが、登場した5人の女性たちのように、一人でも多くの女性が、ラクに生きられる相手と巡り合えることを願っています。

◆今回の教訓◆

・心から結婚を望んで行動すれば、海外にいても婚活はできる。

・料理などを一緒にすることで、結婚にリアリティーが湧いてくる。

・結婚は、「今よりもラク」になるためにするのもよし。

連載に登場した皆さんの幸せを祈っています! (C)PIXTA
連載に登場した皆さんの幸せを祈っています! (C)PIXTA

聞き手・文/青野 梢 イラスト/田中小百合、PIXTA