働き方改革のコンサルティングを行っている池田千恵さんが、明日からすぐに実践できる仕事術・時間術・コミュニケーション術などを紹介していく本連載「じぶん働き方改革」。最終回の今回は、これを読んでいる皆さんに「理想の一日の時間割」を描くワークをしてもらいます。そこから、私たちが目指すべき「働き方『改革』」について、改めて考えていきましょう。

現状把握から入る働き方改革は失敗する

 会社の変革を待って自分のスキルアップがおろそかになる前に、自らの改革を推し進め、時間を捻出し、どこの会社でも通用する自由な働き方を手に入れるための方策をお伝えしてきた「じぶん働き方改革」。最終回の今回は、「改善思考」から「改革思考」に脳内をシフトする方法について解説します。

 この連載では、私たちが目指していくべきは「じぶん働き方『改善』」ではなく「じぶん働き方『改革』」だということを述べてきました。改善なら今までの延長線上で考えてもいいかもしれませんが、改革をするからには、今までの考えからは全く違った視点で問題を眺め、飛躍した切り口から考える必要があります。

「改善」から「改革」になるように、思考をシフトさせる方法は (C)PIXTA
「改善」から「改革」になるように、思考をシフトさせる方法は (C)PIXTA

 「改革」ではなく「改善」がクセになると、少しだけよくなった未来しか手に入りません。例えば時間管理を例に挙げると、「自分の時間を増やしたい!」と思ったとき「いかにして9時~17時で業務内に仕事を終わらせるためにムダをなくすか?」「いかに家事を効率化するか?」というところで工夫するので、「早く動くためには」「同時に物事を進めるためには」といった、スピードアップ方法や効率化の話で終わってしまいます。

 もちろん上記の手法も大切ではあるのですが、スピードアップ方法や効率化の方法で短縮できる時間はせいぜい頑張っても1時間程度です。本当は「そもそもなぜ9時~17時で働く必要があるのか?」「本当に自分が集中して働いている時間は何時間なのか?」「7時~10時の3時間で7時間分の成果を出せないか?」「そもそも家事は絶対自分がやらないといけないものなのか? 他の人にお願いしたり、今より便利な機械で代用したりできないものなのか?」といったところから考え直さないと、本当の改革案は生まれないのです。

 今まである答えを一生懸命覚えて、現状をよくしようと頑張り続けるということを長年続けていくと、「改革」を考えよ、と言われても、具体的な方法が分からず止まってしまいます。そんなときに頭を軟らかくし、「改革脳」をつくるための訓練法を今回は紹介しましょう。