「自分のしたいこと」を置き去りにしないで

 この連載を通じて私が伝えたかったことは、あなたの「したい」を置き去りにしないでほしい、ということです。「しなければいけない」を一日中めいっぱい詰め込んでしまうせいで、本当に心から、誰かに止められようが何をしようがついついしてしまうようなことは、後回しになってしまいがちです。

 人生で最も辛いのは自分でコントロールできないことに右往左往してしまう「受け身」の状態です。心からの「したい」という選択を自分で決めていないから、なんとなくいつも中途半端で、モヤモヤしてしまうのです。本来、きちんと分かっているはずの心の声を、忙しさに紛れてないがしろにし、さまざまなノイズにかき消されて本心かどうか分からなくなってしまっている状態をきちんと整理整頓していく時間をつくるというのが「じぶん働き方改革」の本質です。

 あなたが「じぶん働き方改革」の一歩を踏み出したとき、目の前の仕事一つ一つが「食べていくためにやらなければいけないこと」ではなく、自分の人生をよりよいものに磨き上げるための貴重な経験だと認識が変わります。自分主体で人生をつくっていっていると感じることができれば、他人に時間を奪われているという感覚は消え、人生に責任を持てるようになります。たとえチャレンジの結果が今はうまくいかなくても、選んだ道を最善にしてやる! と決めて突き進むことができるようになります。

 改革が進まない会社の現状を嘆いて自分自身のアップデートを止める必要はありません。「じぶん働き方改革」のための方法論はお伝えしました。あとは今の自分を武器に換え、物事に取り組んでみるだけです。現状を打破する鍵はあなた自身が持ち合わせているはずなのです。あなたの意識さえ変われば、改革に取り組む際に起こるであろう挫折や失敗でさえも、あなたがそこからはい上がるプロセスを経て、ますます光り輝くことでしょう。

 これからもずっと続くあなたの「じぶん働き方改革」を、心から応援しています。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

文/池田千恵 写真/PIXTA

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