業務時間外のLINE連絡はNG!

 LINEは送る側の心理的敷居が非常に低くできている。タップ一つで送れるため、気軽に送ってしまいやすいのだ。一方、受け手側はプッシュ通知をオンにしている場合が多く、心理的負担は非常に重くなる。上司などが気軽に仕事上の連絡をLINEで送ってしまい、部下の精神的な負担になっているという話はよく耳にする。

 LINEでの連絡が会社の指揮命令下にあると判断できる場合は、労働時間と見なされる。休日など業務時間外に業務命令を送り、部下が労働した場合は、会社がその分の賃金を支払わなければ、労働基準法違反となってしまうのだ。

休日などの業務時間外はLINEでの業務連絡は慎もう (C)PIXTA
休日などの業務時間外はLINEでの業務連絡は慎もう (C)PIXTA

 これはLINE以外のメールなどでも同様だ。フランスでは、2014年の春から経済団体と労働組合の間で、勤務時間外の業務メールを禁止する協定が結ばれている。日本でも、勤務時間外の連絡を問題視するようになってきている。LINEは気軽に送りやすいのでつい送ってしまいがちだが、気軽な仕事上の連絡は慎むべきということがよく分かるだろう。

親しくなりやすい、理解が深まる効果も

 このように、業務上の連絡ツールとしてSNSを使う際には注意が必要だが、SNSのビジネス活用にはメリットもある。「違う部署の人とSNSを通じて親しくなり、プロジェクトが進めやすくなった」「上司の仕事に対する考え方や進め方が分かり、コミュニケーションしやすくなった」という話を聞く。

 SNSでつながることで、お互いの考え方や人間性などについての理解が深まる。ひいては、コミュニケーションしやすくなる効果が期待できるというわけだ。FacebookやTwitter、LINEなどの他、社内SNSなどでも同様だろう。

 SNSは便利なコミュニケーション手段の一つだ。注意すべき点を忘れず、適切なところで適切な使い方をすることで、よい効果が得られるだろう。

文/高橋暁子 写真/PIXTA