個人情報・位置情報・公開範囲に注意

 では、ストーカー被害などを防ぎながらSNSを利用するには、どうしたらいいのだろうか。

 最も大切なのは、最寄り駅や勤務先、学校名などの固有名詞を公開しないようにするだけでなく、自宅や勤務先などの1キロ四方以内で撮影した写真を投稿しないこと、近所のローカルスポットにチェックインしないことだ。住所表示やコンビニの「◯◯店」など、地域が特定される情報にも気を付けたい。特に写真には多くの情報が写り込んでしまうので、看板などが入っていないかなど、写真を隅々まで確認してから公開するようにしてほしい。

 SNSに投稿するタイミングも重要だ。リアルタイムではなく、「昨日この店に行きました」など時差をつけて投稿するのが好ましい。走った場所と距離が分かるランニングアプリなども、自宅の場所が推測しやすくなるので要注意。「明日から旅行」などの投稿で空き巣被害に遭った例もあるので、居場所や予定を告知するような不用意な投稿はしないようにしたい。

 個人情報は出さないようにしようと思っても、複数のSNSサービスを使っていれば、情報を掛け合わせることでさまざまなことが分かってしまう。個人情報につながる投稿や写真に気を付けた上で、投稿の公開範囲を友達限定にしたり、友達になる相手は知り合いに限定したりするとリスクが抑えられるだろう。

 GPS機能をオンにしたスマホで撮った写真には緯度経度の情報が付与され、撮影日時などとともに「Exif情報」として記録される。つまり、Exif情報が付いた写真から、撮影した場所が読み取れてしまうのだ。大手SNSなどでは写真アップロード時に自動的にExif情報が削除されるようになっているが、削除されないサービスを使うと情報がそのまま掲載されてしまうので、併せて注意してほしい。