インフルエンス効果を生む「SNS漫画家」

 2016年に設立されたwwwaap(ワープ)は、SNSで拡散力を持つ漫画家・イラストレーターなどのクリエーターのマネジメント・エージェント業を運営する。

 同社ではSNSで支持され、多くのフォロワーを持つ漫画家たちを「SNS漫画家」と呼び、商品やサービスを紹介する漫画を制作し、作家の拡散力を生かしてウェブ上で認知の拡大を図っている。いわば、「インスタグラマーやユーチューバーの漫画家版」ともいうべきものだ。例えば、4コママンガのコミックエッセーが人気の森もり子さんや、シュールなイラストが特徴的なやしろあずきさんなど、フォロワー数が1万人以上の漫画家も所属する。

 彼らはSNS上で熱烈にフォロワーから支持されており、拡散力と影響力を持つ。彼らが発信することで、企業はこれまでリーチできなかったターゲット層にリーチできる可能性がある点に期待する。

個人の発信力・拡散力に企業も期待感を強める (C)PIXTA
個人の発信力・拡散力に企業も期待感を強める (C)PIXTA

SNSの活用が今後の可能性を広げる

 若い世代を中心に、人々がSNSに費やす時間は増加傾向にある。SNS上で影響力を持ち発信する場があるということは、SNSを頻繁に見る人たちにリーチできる可能性が高く、企業も注目を集めている。さらに、今後ますますビジネスにつながっていく期待感が大きい。SNSの活用により、新たな仕事を生み出しているというわけだ。

 また、新しい働き方につながるサービスも生まれている。ウォンテッドリーは、Facebookのつながりを活用したソーシャルリクルーティングサービスであり、転職・採用・インターンなどに活用できる。

 さまざまな調査により、仕事とプライベートではSNSを分けたい人が多いことが分かっている。しかし、「個性」を生かしてビジネスにつながる発信をし、SNSをきちんと使いこなして拡散力や影響力を獲得しておくことで、思わぬ仕事につながる可能性もある。「SNSにおける発信力の獲得」が企業に必要とされる時代になっているのかもしれない。

文/高橋暁子 写真/PIXTA