なぜ、視聴者は「タテ向き」を好むのか?

 縦向き動画にはもともと、片手で視聴できたり、操作がしやすかったりと、使い勝手がよいというメリットがある。通勤時などに動画を見るというある20代女性は、「電車内でイヤホンを着けて動画を見たりするときに両手で持つのは難しい」と言う。

 また、ある大学生は、「いちいちスマホを横にするのが面倒臭い」と言う。「YouTubeでも、お笑いなど、ネタさえ見られればいい動画は縦のまま見る」。SNSで常時連絡が来るので、返事をするたびにスマホの向きを変えるのが面倒臭いそうだ。

 ただし、「好きなアーティストが出ているライブ動画とか、大画面で見たいものはテレビの大きな画面で見ている」など、動画の長さだけでなく「画質や画面の大きさが重要なコンテンツかどうか」でも使い方を分けているようだ。

 スマホで手軽に楽しんでもらうことが前提の動画サービスには、今後も縦型のものが増えていきそうだ。ユーザーの利用環境が変わらない限り、もうしばらくこの傾向は続くだろう。縦型動画サービスは手軽さが最大のメリットなので、興味を持った方はぜひ試しに利用してみてはいかがだろうか。

料理動画にファッション、動画だと短時間で効率よく情報収集できます (C)PIXTA
料理動画にファッション、動画だと短時間で効率よく情報収集できます (C)PIXTA

文/高橋暁子 写真/PIXTA