SNSを使った拡散の爆発力

 実はピコ太郎は、お笑いタレントの古坂大魔王さんが扮したキャラクターだ。ピコ太郎のTwitterアカウントを見ると、フォロワーは3万人程度と特別多くはなく、ピコ太郎自体が著名で拡散力を持つというわけではない。

特徴的なフレーズとリズムにはまる人が続出中です(C)PIXTA
特徴的なフレーズとリズムにはまる人が続出中です(C)PIXTA

 元々は、古坂さんが親しくしているAAAやLiSA、Silent Sirenなどのミュージシャンたちに公開したYouTubeを知らせたところ拡散され、TwitterやMixChannelで広がっていったのがきっかけだ。執筆現在MixChannelでは、双子モデルの「りかりこ」などによる3600件以上のPPAP動画が「やってみた」カテゴリに投稿されている。双子ダンスで人気の「まこみな」とピコ太郎が踊る「ピコ太郎withまこみな」バージョンの動画も投稿され、一般ユーザーを巻き込む人気となっている。

 同時に英語圏では、ソーシャルメディア「9GAG」で同動画が拡散。『TIME』や『The Straits Times』、『Mashable』などの海外メディアでも多数取り上げられるようになった。やがて、約8800万人以上のフォロワーがいるトップミュージシャンのジャスティン・ビーバーがTwitterで「My favorite video on the internet(僕のお気に入り動画)」と紹介したことがきっかけで、BBCやCNNなどの海外テレビメディアにも取り上げられるようになり、爆発的に広がっていったというわけだ。

 大前提として、日本語ではなく英語の歌詞によるリズムネタのため、グローバルに受け入れられたという面はあるだろう。それだけではなく、YouTube、Twitter、MixChannel、9GAGなどのSNSによる拡散力が大きな役割を果たしている。著名人や人気のインフルエンサーが同動画を投稿することで一般ユーザー間のブームにつながり、その現象をメディアが取り上げることで相乗効果が働き、これほどまでの大ブレイクにつながったのだろう。