そもそもキュレーションとは、インターネット上の情報を収集してまとめることであり、まとめることによって新しい価値を持たせることである。キュレーションを行う人はキュレーターといい、元々は博物館や美術館などの専門的知識を有する館長や管理者を意味する英語「curator」からきている。

 つまり、本来のキュレーションサイトであれば問題ないはずなのだが、問題は広がり続けている。実は問題視されている“キュレーションサイト”は、本来のキュレーションサイトではないのだ。ここで問題視されている“キュレーションサイト”の本質と、問題の核心について考えていきたい。

無断で転載された記事や誤った情報が検索でヒットしやすい仕組みになっていた (C)PIXTA

広がり続けるメディアへの影響

 現在にいたる騒動の流れについて簡単に抑えておこう。一連の騒動は、DeNAのキュレーションメディア「WELQ(ウェルク)」が、医療・健康情報を扱うメディアなのに、薬事法違反や他のサイトからの無断転載が多く見られることがブログやメディアなどに指摘され、問題視されるようになったところから始まっている。

 「WELQ」の記事は検索結果で上位に表示されていたものの、内容の信頼性が高いからではなく、入念なSEO対策(※編集部注:検索エンジンに検索されやすくするために最適化を行うこと)を施していただけだったのだ。診療時間外などに体調が悪くなったときに、インターネットで医療関係情報を集めるケースは多い。誤りの情報を参考にすることで、健康被害につながる恐れもある。

 また、ユーザーが自由に情報をまとめる「キュレーションサイト」をうたっていたのに、実際は格安な料金でライターに発注していたことも分かった。つまり、本来の意味での「キュレーションサイト」からは外れたものだったのだ。1文字1円以下とも言われる格安の原稿料で、クラウドソーシング(※編集部注:ネット経由で不特定多数に作業の遂行を募る仕組みのこと)で募集したライターに書かせていたというわけだ。「WELQ」などのサイト執筆において、他のサイトからの盗用を推奨していると取れるマニュアルがあったことが指摘されている。

 その結果、同じくDeNAが運営している「MERY」「iemo」などの他の9つのキュレーションサイトも、他のサイトからの文章や画像の盗用が多いことが分かり、すべて掲載中止となった。

 この問題はこれにとどまらず、サイバーエージェントの「Spotlight(スポットライト)」でも12月初めに医療や健康に係る記事の公開を中止した他、Yahoo!の「TRILL(トリル)」でも10月上旬に外部記者が書いた記事を著作権侵害があるとして削除。リクルートホールディングスの「ギャザリー」でも健康関連の記事を中心に全体の約4分の1に当たる1万6000件の記事を取り下げるなど、影響は広範に広がっている。