一人旅が一気に充実する方法「現地でガイドを頼む」

【悩み(2)】一人だと現地での楽しみ方が分からない。写真も自分が写らないものが多くてちょっと悲しい。

 投資会社の広報として勤めながら、全国各地の滝の魅力を発信し続けている「滝ガール」の坂崎絢子さん。滝を訪ねるツアーの主宰、講演、執筆などの活動をする傍ら、一人であちこちの滝に会いに行く旅も続けています。

 滝を訪ねて初めての土地へ行くときは、「その土地の人と交流してこそ、その土地に愛着が生まれて、一人の旅が楽しくなる」と坂崎さんは考えています。そのためによく頼むというのが、現地でのガイド。調べてみると、自治体が紹介していたり、民間でもさまざまなガイドが見つかります。たとえ一人で行ける場所でも、地元のガイドを頼めば、地域の風土や歴史や自然をより深く知ることができる上、おすすめの食事場所やお土産の情報まで何でも教えてくれるそう。交通の便のないところでは車を出してくれたり、ガイドを通して地元の人との交流が広がったり。

 「日本はあまりプライベートでガイドを頼む文化はないですが、今後は増えていくと思います。『東京から一人で行きます』と言うと、ちょっと驚かれはしますが対応してくださるところは多いです」(坂崎さん)。東北に行った際に頼んだガイドの年配男性は町役場の元幹部で顔が利き、土地のことにとても詳しくて勉強になった上に、坂崎さんと同じ年ごろの娘さんがいるそうで「またおいでと言ってくれて、その後もお手紙を出したりしています」とほっこりした交流を楽しんでいるそうです。

 既に募集されているツアーやイベントに参加するのもいいですが、自分以外はグループや家族連ればかりだったらちょっと浮いてしまうことも。それを考えても「多少のお金はかかりますが、マンツーマンのプライベートガイドは、本当におすすめです」(坂崎さん)

「観光協会」「案内所」は強い味方

 一人旅は特に夜の時間がつまらない、何をしていいか分からないという声もありました。前回の記事でも居心地のいい店の探し方に触れましたが、安心して女性一人でも楽しむためには「情報収集がポイント」と水津さん。そのために役立つのが、観光協会や観光案内所だそうです。

 「ナイトタイムエコノミーに力を入れている自治体は結構あります。駅などの観光案内所に寄って、ライトアップやお祭りなどのイベント情報、おすすめのバーや居酒屋に連れていってくれるツアーなど、夜も楽しめる観光情報を探してみてください」(水津さん)。カクテルを観光の売りにしている宇都宮、レトロな居酒屋が多い八戸など、ナイトタイムの店巡りツアーやクーポン、パンフレットなどを用意している場所は結構あるそうです。

 地図を読むのが苦手という人にも、分かりやすい街歩きマップなどが無料で入手でき、分からないことを質問できる観光協会や観光案内所は心強い味方。「この10年で運営体制が大きく変わり、対応がよくなった観光協会が多いと感じます。尋ねたこと以上の情報をくれたり、あちこちに連絡を取ってくれたりして、助かることが多いです」(水津さん)