自分のリスク管理の基準をしっかり持つ

 自然に触れてリラックスしたい。今後やってみたいソロ活に「アウトドア」を挙げる人もいましたが、同時に「何かあったときに一人では対処できない。一人では無理」という声も複数ありました。

【悩み(3)】登山やキャンプ、トレッキングなどアウトドアは一人ではリスクが大きい。

 全国の滝を訪ね歩いている「滝ガール」の坂崎さんは、「滝は自然がつくり上げた芸術作品。水の動きを見ているだけで癒やされます。一つ一つ違った存在感があるので、滝は『待ってくれている』存在、『会いに行く』という感覚があります」と言います。

 国内の滝の多くは周辺が整備されていて安全に行くことができますが、有名な滝でも時にはかなり山奥まで訪ねることもあります。道に迷ったりケガをしたりといったリスクに加え、特に近年はクマなど野生動物による被害も心配。坂崎さんは「携帯の電波が入らないような場所には一人では行かない。行く場合は複数の仲間で」と基準を決めています。前のほうで説明したように積極的にガイドを頼んだりするのもその一つです。

 「私の滝ガール活動はリラックスして楽しむために自然の中に行くのですから、不安な思いをしないということが大事です」(坂崎さん)

 専門家の知識や技術を学べる機会を利用してアウトドアに踏み出すこともできます。登山・スキー・アウトドア用品専門店のMt.石井スポーツが今年から始めた「山あそびクラブ」は、「登山(山登り)を手段として、山で遊び尽くす。」をコンセプトとした、アウトドア初心者向けの机上講習やフィールド(実技)の企画。3カ月に2~3回(不定期)の割合で開催しています。山の専門店として長年、さまざまなプログラムの「登山学校」を開催してきましたが、より初心者向けプロジェクトとして発足しました。

 元々は30代女性を想定対象として始まったプロジェクト。毎回の企画には各店舗からスタッフが参加して内容を綿密に検討。女性スタッフも複数参加しています。

 「“登山”だと頂上に着くことが目的になりますが、山あそびクラブは『山ごはん』『山で写真を撮る』などテーマを毎回変え、山で楽しむのが目的。歩くのも比較的短い時間に設定しています」(執行役員・オムニ事業部部長の吉澤且行さん)。

 現状は幅広い年齢層が参加していますが、大半が一人での参加だそうです。アウトドア用品の使い方や山の基礎知識を学びながら、自分なりのテーマを見つけてみては。

【悩み(4)】カラオケは好きだけど、一人だとむなしそう。

 一人レジャー、最後は「カラオケ」について聞きました。「一人カラオケ、やってみたい」という人が多かった一方で「一人だとむなしそう、寂しそう」「一人じゃ無理」という人も多いカラオケ。現状を女性店長に聞いてみると予想外の結果が……。

多様に楽しんでいる一人カラオケ女子

 カラオケルーム ビッグエコー五反田東口駅前店の木村真奈美店長によれば、「平日は、ほぼ半分がお一人での利用です。学生さんなどが3人で来られて、一人ずつ別々の部屋を希望されて一人で歌われることも珍しくないですね」。「一人専用カラオケ」に限らなくても、一人カラオケは既に少数派ではなくなっていたのです。

 実際に平日、仕事の合間の息抜きなのか一人で短時間利用したり、仕事帰りに一人で利用するビジネスマンやOLは多いとのこと。考えてみれば自宅以外に、周囲の目を気にせずに済む空間はそれほどありません。歌うだけではなく皆さんいろいろなことをしているようです。

 ビッグエコーでは、ビジネス利用向けに「ビジネスプラン」を展開しています。同ブランでは、パソコンを持ち込んで仕事を片付ける人のために無料Wi-Fiや、部屋のモニターとパソコンを接続するケーブルなども用意。記事を書いて投稿するブロガーさんなどの利用も多く見受けられるほか、鏡のある部屋では俳優の卵の人たちが芝居の練習をする例も。

 大きな音が出せるので、楽器を持ち込んで練習する人もいます。若い人はギター、30代以上ではフルートやホルン、トランペットなどの楽器も。カラオケで課題曲を流しながら練習すると上達が早そうな気がします(※施設環境により、一部店舗で利用できない場合もあります)。

女性向けの内装の部屋が増えています(ビッグエコー渋谷センター街本店の「シンデレラ」ルーム)
女性向けの内装の部屋が増えています(ビッグエコー渋谷センター街本店の「シンデレラ」ルーム)

 顧客の過半数が女性のビッグエコーでは「女性向け」の部屋を展開中。9月にオープンした渋谷センター街本店では、「シンデレラ」「白雪姫」など、部屋ごとに内装イメージを変えたインスタ映えする女性向けルームが人気です。かわいい部屋を増やす以外にも、「女性のお一人客にはなるべく女性スタッフが対応したり、ご案内する部屋をできるだけ男性グループの部屋の近くにはしないなどの配慮をしています」(カラオケ ビッグエコー八王子店の和久井裕希子店長)。

 常連の一人客には、いつも決まった部屋を使うなど独自のこだわりで楽しむ人もいます。「一人で来られる方は、お話しをすると気さくな方が多いです。来店された時はまだお仕事の緊張感が少し残っている感じでも、帰りはテンションが上がって『楽しかったー』と言ってお帰りになる方が多いですね。その方なりの楽しみ方をぜひ見つけていただけるといいなと思います」(和久井店長)

文/日経ウーマンオンライン編集部