税金が減るとお得! NISA、iDeCoは使わなきゃ損

 投資と聞くと「何に投資する?」「どんな株を買う?」というイメージだったかもしれません。けれども最近は「どんな制度を使って投資するか」が重要になってきています。

 というのも、投資という性質上、利益はコントロールできませんが、手数料や税金といった「コスト」は制御できます。数年前から注目を集めているNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)は、そのコストのうち、税金面で相当有利なので、使わない手はないと大口発行人。

 「例えば通常であれば投資で100万円もうかったとしても、そのうち20万円は税金で持っていかれてしまいます。それがNISAやiDeCoなら、全額が口座に残り、そのまま複利で運用されるとかなり大きな効果が得られるというわけです」

 さらにiDeCoに関しては、掛け金がまるまる所得控除される上、60歳以降の受け取り時も、公的年金等控除などの税優遇が受けられる「トリプルメリット」が大きな魅力。

 「30歳~60歳まで毎月2万3000円を積み立てた場合、元金総額は828万円。仮に3%で運用できた場合1339万円になりますが、うち非課税によるメリット額が実に130万円。さらに所得控除によるメリット額は252万円にものぼるのです」

使える金融商品の選び方

 NISAやiDeCoは制度の名前なので、それを使った商品は、証券会社や銀行など、各社から選ぶ必要があります。「この分野こそ私の得意なこと」という大口発行人のおすすめは、インデックス型投資信託。プロが貼り付いて、企業の動向に応じて運用を決める「アクティブ型」より信託報酬が安く、一社一社の業績などを知らなくてもできるため、初めての人にもとても簡単で分かりやすいのだそう。

 ちなみに「保険商品」で資産形成までカバーできると考えている人もいますが、保険はあくまで保険で貯蓄ではありません。分けて考えたほうがよいでしょうともアドバイス。

 最後に、投信以外にも「ふるさと納税」や「株主優待投資」も、始めやすくて貯蓄の足しになります、と補足した上で、「今日この話を聞いて、真剣にお金のことを考え始めたときから、お金は貯まり始めます。ぜひ行動に移してみてください。どうか皆さんの将来が豊かなものになりますように!」とのエールで締めくくられました。

文/氏家加奈子 写真/長崎辰一