資産運用の王道を知っておこう

全員に資料が配られて、具体的な数字や資料をもとに話が進んだ
全員に資料が配られて、具体的な数字や資料をもとに話が進んだ

 シンプルな例としては、例えば資産を運用する際の利回り。0.5%程度では80代で底をつきますが、仮に2.0%で運用できれば資産の寿命がぐっと延びます。運用の成否が鍵を握るといえます。

 「72の法則といって、72を金利で割った数が、『お金が2倍に増える年数』だと覚えておいてください」。現在の定期預金の利率0.01で計算すると、貯蓄を2倍にするのになんと7200年もかかってしまいます!

 「昔は何も考えずに定期預金に預けておけばお金が増える、そんな利率でしたが、今はそんな商品はありません。ある程度のリスクを引き受けることによって、高い利回りが得られるんです」と和泉さん。とはいえ、リスクと言われるとやはり少し不安を感じます。

 そこで登場するのが「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」です。

働き女子にも税金の恩恵が!

 まずは、これまで配偶者控除(38万円)などの税金面の恩恵がなかった働き女子にも、「NISA(少額投資非課税制度)」の登場によって、明らかな利益がもたらされたことを説明。「通常は得られた利益に対して毎年20.315%が税金として引かれてしまうところ、NISA口座なら、一年で120万円までの投資元本を5年間非課税で運用できます」(和泉さん)

 つまりNISAを使えば、税金が引かれない分、以前より増やしやすいということです。また、より長い期間利用できる「つみたてNISA」もあります。これは金融庁が投資先商品を選定しているので、何に投資すればいいか分からない初心者にもおすすめです。

 「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、60歳まで引き出せないという制約がありますが、「毎月の掛け金が所得から控除されて、支払う税金が安くなるほか、運用時の利益にも税金がかからないという『最強の制度』です」と和泉さん。

 「60歳まで引き出せないのも、不便と感じる人はいるかもしれませんが、逆に考えれば大きな魅力です。他のことに流用せず、老後資金を確実に準備できますからね」(和泉さん)

会場いっぱいの参加者は、メモを取りながら熱心に聞き入っていた
会場いっぱいの参加者は、メモを取りながら熱心に聞き入っていた

投資のリスクはこうして軽減!

 NISAもiDeCoも「投資信託」で運用することができます。特にiDeCoは掛け金が所得控除の対象となって節税できるのもうれしいところ。投資信託は少額から始められる投資商品で、特に投資ビギナーに向いています。

 とはいえ投資信託は元本が保障されていません。和泉さんはリスク軽減の方法として、次の3つを示してくれました。

(1)分散…値動きが異なるものを組み合わせる
(2)長期…10年、20年というスパンで
(3)積立…タイミングを計らずに一定額ずつ投資する

 「一時的に元本割れが起こっても、未来を信じて継続するのが『投資』です。リスクを減らす方法を取りながら、長い期間をかけていけば大きな失敗はしません」と太鼓判を押して、セッションの前半は終了しました。