キャリアをどう捉える? 管理職ならではの悩みは?

 続いて、話題はキャリアへ。

ポータルの古田さんは、海外で働いたり転職を重ねたりすることでキャリアアップしてきた

 4人の中で唯一転職経験のある古田さんは「私は大学を卒業して10年銀行に勤め、充実していた半面、服装や結婚に関する外野の声に追い詰められる気がして、海外へ飛び出しました。仕事をする上では、この組織で自分ができることや学べることは何かを考え、それが一区切りついたら社内外で次のステップへ。そうして新しい仕事やキャリアを身に付けてきました。キャリアは自分でつくっていくもの」とキリリとした表情で語りました。

 曽根さんは「父を早くに亡くしたので、一生働こうと思って就職活動をしました。当時の岩田屋は『総合生活文化産業』と銘打ち、ライフスタイルを提案していて、世の中に発信する仕事が面白そうに思えました。私は目標を見つけるのが得意で、まずはバイヤーになりたいと思ってガツガツ仕事して(笑)、海外出張にも行かせてもらい、刺激的な毎日だったから転職しなかった。バイヤーのときは、デザイナーやブランドを立ち上げている人たちとつながることが自分を広げてくれた。ネットワークを増やし、引き出しがいっぱいできて、今に至っています」と振り返ります。

 浦さんは「私は県庁に入り、ずっと農林水産関係の仕事をしてきました。農業の仕事は課題が明確で、何をするか悩んだことがなかったのですが、昨年の異動で地域振興の部署に。地域ごとの課題を見つけて解決に取り組むことに少し悩みました。今は県の離島8つを担当中。住民を増やすためについ先週、離島の男性の婚活事業をしたところ、参加40人の中から5組のカップルが誕生したんですよ」と行政の意外な仕事を紹介してくれました。

九州電力の園田さん。3人のお子さんを育てながら、同社では2%という女性管理職に就任

 園田さんは、女性管理職ならではの悩みから抜け出したエピソードを披露しました。「私は理系でずっとシステム開発に携わった後、ダイバーシティ推進長という今の役割をもらいました。全く違う職種ですし、もともと部門によって仕事のやり方や空気感、上の人に話を持っていくやり方までかなり違って、本当に戸惑いました。そこで社外の女性管理職で転職経験もある人に相談すると、『どこの組織にもお作法があるから、まずはそれを知ること』とアドバイスされた。職場の若手で一番仕事を回している人に『どうしているの?』と聞けばいいと。その通りにしたら、実にサクサク教えてくれたんですよ。それまでは、管理職だから自分で決めなきゃとプレッシャーを感じたり、後に続く女性のために失敗できないと変に背負い込んだりして、会社に行きたくないと思ったことも……。でも、それから年下の人に質問することに抵抗がなくなり、うまく回るように。社外のつながりが救いになりました」

「管理職は決して特別な人じゃない」と知ってほしい

 「皆さんいろんなご苦労をされている。上に行っても学びがあり、見える世界が変わってきて面白いですね」と村山さん。すると、浦さんが自身のユニークな発見について話しました。

 「県庁で女性管理職の発表会をしたとき、管理職の自己紹介で自分が若い時の写真を載せていただきました。そうしたら私がすごく尊敬している部長が聖子ちゃんカットでピースしていて、『管理職は特別な人で若いときからバリバリやっていたと思い込んでいたけど、普通の女の子だったんだ』と実感したんです。私自身が安心したし、若い人にも『遠くにいると思っている上司は、実はついこの間まであなたたちと同じだったんだよ』と伝えたくて、管理職と若い人たちの交流会を始めました。今後広げていくつもりです」

熱気あふれる会場ではメモを取る人も多かった