一人の男性にすべての要素を求めるな

――20代には戻れないので、30代の倫子と私にアドバイスをください!

 「恋愛と結婚は切り離せ」でしょうかねえ。倫子たちは、まだ恋愛の延長線上に結婚を考えているんですよ。夢見ている、と言ってもいい。

 ディレクターの早坂さんを「ちょっといいかも」と思ったのだって、見かけがダサくなくなったとか、ワイン選びがこなれてきたとか、ADからディレクターになっているとか、そういう理由でしょう? 自分たちはそうやって見た目や肩書きで判断しているんだから、男性側が同じように女性を見ても不思議ではないわけです。その点をまず受け入れましょう。

――その上で、恋愛と結婚を「切り分ける」には一体どうしたらいいんでしょう? ときめかない相手と結婚できるでしょうか…。

 「恋愛する相手」と、「家族になる相手」と考えてみては? 一人の男性に両方の要素を求めるから難しくなるんです。

 逆の立場で考えてみてください。アナウンサーやモデル並の容姿で、料理が上手で、家庭的で、仕事もきちんとしていて、でも会えば自分の愚痴も親身に聞いてくれる。そんな女性といつか結婚したいなあ、なんて夢見てる30代の平凡な男性がいたらどう思います? 「現実を見ろ!」と言いたくなるんじゃないでしょうか。

――確かに…。

 いつか私にも白馬の王子様がお迎えにくる、と思っているんでしょう? 来ないですよ。その王子様と出会うために、年間何十人もの男性と二人で食事に行っている、というのならまだ可能性はありますけどね。

最後に男性と二人で食事に行ったのはいつだったか… (C) PIXTA
最後に男性と二人で食事に行ったのはいつだったか… (C) PIXTA

 倫子も、業界の外の人ともっと会った方がいいです。彼女は意志がとても弱い。他人の言うことに傷ついて、お酒に逃げて、悪夢まで見ちゃう。人の目が気になって仕方ない。そういう弱い女性はどんな男性に惹かれると思いますか?

――自分より仕事ができて、大人で、引っ張ってくれる頼れる人、みたいな。

 そうですね。さて、そんな30代の男性は独身でしょうか? たまたまふらっと出会って結婚前提で付き合ったりできそうですか?

――そ、そんなこと…ありますかね?

 ないですよ。だから、倫子も受け身で待っていたらダメなんです。