チビ、ハゲ、デブなんて言うな!

――恋愛相手としても、家族になる相手としても理想的な男性なんて、冷静に考えたらなかなかいないですもんね。そもそも、いたとしてもその人と付き合って結婚できる保証はない。

 可能性が「ゼロじゃない」というだけ。ゼロではないけれど、実際は限りなくゼロに近いです。そこにすがりついていると、いつまでたっても結婚できない。

「タラレバ世代よ、目を覚ませ!」 (C) PIXTA
「タラレバ世代よ、目を覚ませ!」 (C) PIXTA

 どうしても恋愛のときめきが捨てきれないというのなら、「恋愛は好きに続けたら?」とも思うんです。19歳のマミちゃんのようにね。これはお互いの恋愛観によりますけど、家族になる相手とは別のところで、恋愛のときめきを持ち続けたって構わないと思う。

――倫子はそれをすごく嫌っていますね。

 それも勝手な呪縛なんだけどね。「そんなの私は嫌だ」「一途でいたい」と言うのなら、「家族になる相手」を見つけることを優先するしかない。大事なのは、1.「恋愛」と「結婚」は切り離して考える、2.先物買いできないなら、10~15歳くらい年上を狙っていきましょう。で、3.男性の見た目をぐだぐだ言わない。チビ、ハゲ、デブなんて言うな、ってこと。

――その代わりに、家族として求める要素は満たされるわけですね。「誠実だ」とか「安心感がある」とか。

 「一緒にいて落ち着く」とか、「自分だけを大事にしてくれる」とかね。

 『東京タラレバ娘』を読んで、痛いのはわかる。憤慨したくなる気持ちもわかる。でも、この中にはいろいろなヒントが詰まっているから、そこからどうするべきか考えることができます。共感したり憤慨したりして終わるのではなく、「じゃあどうする?」を考えてほしいですね。

――「タラレバ女子たちよ、『じゃあどうする?』を考えよう!」。肝に命じます…。

文/大吉紗央里 写真/PIXTA