キャリアのように、自分の恋愛を見直そう――。恋愛リレキショでは、婚活ビジネスに詳しいコンサルタントの西口敦さんが、恋愛を“戦略的に”とらえてアドバイスします。第三回目は、学生時代から10年付き合った彼氏と別れたばかりだという名取さなえさん(仮名)のストーリーです。

相手がどうかは関係ない 恋愛が好き!

 「私が惹かれるのは、ちょっとダメな男性です。結婚に向いていない感じの男性、とでも言うんでしょうか。ちょっとわがままだったり、我がうんと強かったり。もともと結婚願望がなかったのでそのことで困ってもいないのですが、最近はさすがに『またかぁ』となかば自分でも呆れています。

 恋愛は好きです。好きな人がいる状態って楽しいですよね。仕事が早く終わりそうなときとか、『今日、会えるかな』って考えたり、メールしたり。相手が自分を好きかどうかは、それほど重要じゃないんです。私がその人のことを好きなら、毎日楽しい。今好きな人とは、ご飯に行ったりはするけれど付き合ってはいません。でも、私は会えるだけで十分楽しいし、うれしいんです」

仕事帰りに好きな人と一杯飲みに行くだけで楽しい! (C)PIXTA
仕事帰りに好きな人と一杯飲みに行くだけで楽しい! (C)PIXTA

話していて彼より楽しい人がいなかった

 「恋愛の履歴となると、人数はとっても少なくて、きちんと付き合った男性は一人だけです。高校3年のときから、ついこの間まで。18歳から28歳までの10年間、同じ人と付き合いました。仮にその人をB君とするなら、私の恋愛リレキショに登場するのはAさん、B君、今好きな人のCさんの三人ですね。

 最初に関係をもったAさんはアルバイト先の先輩で、思っていることをストレートに言ってくれるのが好きでした。彼女がいることは知っていたんですが、私は好きになると自分からどんどんアプローチしてしまうので、そこから流れで浮気相手になりました。でも、そんなに気にしていなかったですね。あくまで『私が』Aさんを好きだということが重要だったので、彼女かどうかは二の次でした。

 浮気相手だということに後ろめたさもなかったので、クラスでも自分の好きな人の話として普通に話題にしていたと思います。私はみんなと同じ“恋バナ”をしてるつもりだったのですが、周囲からはよく『そんな人やめたら?』と怪訝な顔をされましたよ(笑)。のちに10年間付き合うことになるB君もその一人で、『名取ちゃん、そんな恋愛してちゃいかんよ。俺は名取ちゃん好きっちゃけど』と彼から告白してくれました。

 そのときはAさんのことが好きだったので断りましたが、その後も男友達として仲良く過ごすうちに、ふと『こんな素の私を見て好きになってくれたのなら、付き合ってみようかな』と思い始めました。Aさんのことが好きとはいえ、彼よりB君のほうが誠実なのは明らかでしたから。結局、それからB君とは10年間付き合うことになるのですが、恋愛体質の私が10年もの間付き合えたのは、たぶん、彼よりも話していて楽しい人がいなかったからだと思います」