マネーのプロが投資の疑問を解決!

 第2部ではゲストに三菱UFJ国際投信 お客さまサポート部 サポートグループ グループマネジャーを務める佐藤知美さんも迎え、「日経WOMAN」編集長の藤川明日香が進行役となり、投資に関するQ&Aに答える形でセッションが進められました。

Q1.投資を早速始めたい。でもリスクが怖い! どうしたらいい?

和泉さん 「第1部でもお話ししましたが、リスクを回避するには『長期・積立・分散』を意識しましょう。初心者は分散投資できる投資信託がおすすめです。ただ、投資信託も株の割合が多いほど、値動きが大きくなります。例えば『バランス70』という商品なら株式の割合が70%ということ。自分がどこまでリスクを取れるか、よく検討して」

佐藤さん 「やはり分散投資でリスクを避けることが大事です。実は、私は新入社員時代に大失敗をしたことがあります。当時は証券会社に勤めていたのですが、『自分も相場を見る目が鍛えられた』と思い、ボーナスをドンと1社の株に注ぎ込んだんです。そして、その投資額は二度と戻ってきませんでした。その時の痛手からリスク分散の必要性を学び、投資信託の積み立てを始めました。おかげさまで投資信託のほうは今、着実に増えています」。

Q2.自分に合った商品や運用口座の選び方は?

和泉さん 「投資を行うなら、節税メリットのあるiDeCo、つみたてNISA、NISAから始めるといいと思います。そして投資には、『5年ぐらい使う予定のないお金』を充てること。マーケットは私たちの都合では動いてくれないので、私たちがお金が必要な時に利益が出ているとは限りません」。

佐藤さん 「初心者は投資成果がわかりやすい日経平均株価・TOPIXなどの『株価指標』と同じような値動きをする『インデックスファンド』がいいのでは。それでは物足りない、積極的に増やしたいという人は、市場平均を上回る運用を目指す『アクティブファンド』があります。ただし、必ず上回るわけではなく、手数料もインデックスファンドと比較すると高いので注意が必要です」

Q3 情報収集はどのようにすればいい?

和泉さん 「初心者には日経WOMANのマネー特集が分かりやすくて、おすすめ。実際に投資を始める時は、イボットソンやモーニングスターなど投資信託の評価会社のサイトなどで、過去の運用成績をチェックしましょう」

佐藤さん「運用会社、販売金融機関や投資信託協会などのサイトを見て、運用成績や各種手数料、信託報酬の額などを調べましょう。過去の成績を見るときは、上下の幅がどのぐらいあったか見ておくといいですね。投資というと、経済・景気といった専門知識が必要なニュースを見なくてはいけないと思う人もいますが、まずは一般的なニュースから情報収集を始めればOKです」

Q4.とにかくまずは投資を始めたい! 何からすればいい?

和泉さん 「大事なのは情報を集めたら動くこと! ダイエットと同じで、いくらダイエットの情報収集をしても痩せません。自分から一歩踏み出さないと、お金は増えませんよ」

佐藤さん 「まずは口座を開くことから。実は、口座を開くだけ開いて、投資を始めない女性も多いんです。『知識が不十分』『リスクが怖い』と言っていては、いつまでたっても始められません。つみたてNISAは最長20年の恩恵が受けられます。国が資産形成を応援している税制優遇制度を使わないのは損ですよ」

Q5 マネー美人になるためには?

和泉さん 「預金は銀行任せですが、投資は⾃分でリスクを引き受ける代わりに、ご褒美として大きな利益をもらえる可能性があるものです。投資は自分に意志がないと、始められません。これからのマネー美人は、時代感覚を持ち、自分の意志をはっきりと示して未来へ進んでいく人のことだと思います」

佐藤さん 「皆さんには何事にも興味関心を持ち、変化を楽しんでほしいと思います。つねにアンテナを高く張っていれば、電車の広告や車窓の風景の見方が変わり、自分の気付きになり、投資の仕方も変わります。そして、実際に一歩踏み出せる人が本当のマネー美人だと思います」


 和泉さん、佐藤さんの熱のこもったアドバイスに会場からは大きな拍手が送られました。誰もが未来へ一歩踏み出す勇気をもらえたセッションでした。

取材・文/三浦香代子 写真/中村嘉昭