東京ミッドタウン(東京・港区)で11月30日、12月1日の2日間にわたって開催された輝く女性を応援する「WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winter」。12月1日に行われた「ブレスラボPresents 働く女性の“息”があぶない!? 前向き女子になるための口臭ケアレッスン」では、口臭の原因や、正しいケア方法について、亀山敦史さん(東京歯科大学 千葉歯科医療センター准教授)、予防医療コンサルタントの細川モモさんに教えていただきました。

  「自分は口臭が強いのでは?」という不安を持つ女性は多いのですが、口臭の正しいケア方法はあまり知られていません。etRouge編集長・麻生綾さんが聞き手となり「口臭の原因と予防方法」についてお話を伺いました。

「口臭外来」の受診者の6割以上が女性

 亀山さんによると、東京歯科大学千葉歯科医療センターの「口臭外来」では、受診者の66%が女性であり、20代~40代の女性が最も多いと言います。実際に口臭があるかどうかにかかわらず「口臭があるのではないか」と悩む女性が多いのです。口臭の原因はどのようなものがあるのでしょうか?

 「歯の汚れや、胃が悪いことが原因と思っている方がいますが、原因の9割は口の中の粘膜にあります。粘膜は、皮膚と同じようにターンオーバーするため、古い粘膜がはがれ落ち、口の中の酵素に分解されることによって口臭の原因である揮発性硫黄化合物になるのです」(亀山さん)

 自分で口臭をチェックしたいと思っても、鼻腔と口腔がつながっているため、鼻が口臭に慣れてしまい、自分の口臭を意識することが難しくなっています。口臭が強くなる条件を知り、予防ケアすることが大切だと亀山さんは言います。

 「唾液が出ることによって、口臭が緩和されます。朝起きた瞬間は長時間口を閉じているため、1日の中で最も口臭が強くなります。食事を取ることで唾液が分泌され、口臭のレベルが下がります。また、月経前や月経中は唾液が減少し、口臭が強くなる傾向があります」(亀山さん)

朝1杯の味噌汁で口臭予防

 次に、予防医療コンサルタントの細川モモさんに、働く女性におすすめの口臭予防方法を教えてもらいました。

 「水分が不足するとドライマウスになるリスクが高まり、口臭が強まる可能性があります。1日に必要な水分量は2l~3lです。大都市で働く女性の約4割が朝食を抜いているというデータがあるのですが、朝食を取ることで約500mlの水分を摂取することができます。また、最新の発見として腸内環境が口腔内環境に影響することが分かりました。口臭の原因の一つに歯周病があるのですが、バランスのいい食事を摂り、生活サイクルを整えて理想的な形状である『バナナうんち』が出る腸内環境を目指しましょう。腸内細菌を整えて免疫が強化されることで、口腔内の免疫も高まり、歯周病菌の定着を防ぐ働きが期待できます」(細川さん)

 とはいえ、仕事や家事に追われ、栄養バランスの取れた朝食を取ることが難しい人も多いはず。そこで細川さんがおすすめするのが、朝食時に1杯の味噌汁を飲むことです。

 「朝食を取ることで唾液が分泌され、水分摂取もでき、さらに味噌が腸内の環境を整える、一石二鳥以上の効果が期待できます。忙しい朝にぴったりな対策ではないでしょうか」(細川さん)

 「便秘がちな方は腸にガスがたまりやすくなります。オナラを我慢すると、そのガスは血管を通して肺に回り、口臭につながってしまうこともあります。そのような意味でも、腸内環境を整え、スムーズな排便を促すことは口臭に影響すると考えられます」(亀山さん)