モデル、女優と活躍の場を広げ、今は「NEWS ZERO」(日本テレビ系)のキャスターとしても広く知られるようになりました。キャスターのお仕事は、迷わずに引き受けたのでしょうか。

 「お話をいただいたときはとてもビックリしました。ZEROのキャスターを始めて今年で10年になるのですが、32歳で結婚したばかりの頃にお話をいただいて、私にはできないかもしれないと思って不安だったんです。これから社会勉強をしていかなければならない身で、何の知識もなかったので自信がなくて。

 そしたら、『それでいいんです。自分の半径3メートルくらいの生活の中で感じたり疑問に思ったりしたことに取り組むコーナーにしたいので』と言っていただいて。最初はゴミ問題から、今ではがんと闘う方や、聴導犬、同行援護など、年を追うごとに半径が広がっています」

自分の興味のあることに、ポンと飛び込んでみる

 新しいことに挑むときは、誰しも不安を抱きがち。でも、板谷さんは違うタイプだと言い切ります。来年の4月には、初めて舞台にもチャレンジするそうです。

 「私、不安より好奇心が勝っちゃうんです。そのときの好奇心で飛び込むタイプ。不安な材料を並べたら、人生は不安なことだらけ。でも、それを考えだすと前に進めないので、自分の興味のあること、やってみたいことを大事にして、ポンと飛び込んでみるんです。

「不安より好奇心が勝っちゃうんです」
「不安より好奇心が勝っちゃうんです」

 好奇心は年齢とともに減っていくから、無くさないように意識しています。この本を読んでみよう、この服を着てみようというのも好奇心ですし、自分一人で考えることだって好奇心だと思います。興味が湧いたところでストップせず、何だろうと思ったら、そちらへ向かうようにしています」

 39歳のときには、ファッションブランド「SINME」を設立しました。

 「30代後半になり、それまでずっと周りの人が提案してくれた仕事をやってきて受け身だったと、はたと気付いたんです。誰かが用意してくれた仕事を一生懸命やってきた30代だったけど、私は自分から何か始めたことがなかったなと焦ったんですよね。

 それで、何かゼロから始めようと思ったとき、一番好きなのはやっぱりファッションで、普遍的で何歳になっても着られるのはジーンズだと考え、ジーンズのブランドを立ち上げました」