今話題の「ヘパリン類似物質」とは?
セッションの最後に注目を集めたのは、ヘパリン類似物質でした。約70年前にドイツで発見されたこの物質は、細胞に浸透するため肌表面の保湿効果を高めるといわれています。長年研究に携わっていた小林製薬の亀井枝里子さんによると、ヘパリン類似物質はコラーゲンやコンドロイチンに近い構造をしているとのこと。現在医療現場では、乾燥肌の治療薬として最も多く処方されている成分だそうです。
「研究を進めたところ、ヘパリン類似物質は肌の奥まで浸透し、他の物質よりも保湿効果が高いことが分かりました。個人差はありますが、乾燥肌の改善を実感しやすい物質だと思います」(亀井さん)
早急な治療が必要な場合は病院でも処方されますが、美容目的で使用する場合はドラッグストアでの購入がおすすめです。医療用と同様にヘパリン類似物質が配合され、さらに化粧品技術が応用されているため使用感も良好だそう。
「べたつく化粧品が苦手な方は、ドラッグストアで販売されている小林製薬の『Saiki』を試してみてください。ローションタイプ・乳液タイプ・クリームタイプがあるため、お好みや使用シーンに合わせて選ぶことができます」(亀井さん)
亀井さんが特に愛用しているのはクリームタイプ。外出時、ポーチに入れて持ち運ぶことができ、津田さんの話にあったようにファンデーションの上から塗り込んでいるそうです。また日経BP総研の西沢によると、男性が使いやすいのはローションタイプではないかとのこと。保湿というと女性向けのケアだと思われがちですが、実はひげそりの後に使っている男性もいるようです。
「大気汚染が進んでいる今、肌の保湿は紫外線予防と同じくらい重要視されています。まずは、洗顔・保湿ケア・マッサージという3つのポイントを忘れないこと。十分に栄養が行き届いた肌を保つためには、何よりも毎日のケアが大切です。細胞をしっかりつくることで外的な刺激から肌を守りましょう」(津田さん)
乾燥しがちな冬、肌の保湿ケアには十分気を付けたいですね。
文/華井由利奈 写真/辺見真也