決めグセを付ける

 行動できない人には「決断に迷って時間がたつ」傾向があると池田さんは指摘します。決断に迷わなくなるために役立つのが、「すぐの法則(『す』数字で、『ぐ』具体的に)」。例えば「お礼状は12時間以内に書く」「片付けは5分以内に終わらせる」といったように、自分なりのルールを決めておけば、どうするかを迷わなくなります。例えば、「キラキラ輝きたい」のであれば、「月に1回(数字で)、ネイルをする(具体的に)」など、行動まで決めることが大切です。

伝え方を工夫する

 自分の時間をつくるために池田さんが勧める3つ目の方法は、「自分ハブ化計画」です。ハブとはハブ空港の「ハブ」。自分が時間を決める環境をつくり、周囲に自然と従ってもらえるようにする工夫です。

 その一つが、飲み会の幹事をあえて引き受けること。幹事として「時間制のコース料理で二次会はナシ」と決めれば、時間をコントロールできます。「幹事のやり方にはどんな偉い人も従うんですよ」と池田さん。また、日時を指定されない資料を任されたときには、「では、◯日までに戻しますね」と自分から日時を伝えれば、自分基準の締め切りに設定できるそう。遅ければ相手から希望を言ってもらえるはずです。

 最後に池田さんは「人の顔色を気にして生きるほど人生は長くないですから、自分がどう思うかを見極めていただきたいと思います。そのためには、朝の30分で自分のために考える時間をつくるということです。自分のことを大事にしてください」と締めくくりました。

「朝の30分で、夜2時間の余裕はつくれますよ」
「朝の30分で、夜2時間の余裕はつくれますよ」

文/飯田樹 写真/中村嘉昭 図版/池田千恵