内勤・外勤で毛穴トラブルは異なる

 働き女子に毛穴トラブルが起こりやすいことは分かりましたが、仕事スタイルはどのように影響するのでしょうか?

 「紫外線ダメージはシミだけでなく、毛穴にも大きく影響します。おもな症状は、毛穴の周囲の皮膚がリング状に色素沈着を起こしているメラニン毛穴、毛穴に詰まった角栓が酸化した黒角栓、コラーゲンやエラスチンが変性を起こして弾力が失われ、毛穴の落ち込みや開きが目立つたるみ毛穴です」(本田さん)

 つまり、紫外線を浴びる時間が長い外勤の人は、毛穴トラブルのリスクにさらされていたのです!しかし、内勤でも油断はできないと本田さん。

 「オフィスが過剰に乾燥していると、肌の水分を補おうとして、かえって皮脂分泌が増えることがあります。また、皮脂とは関係なく、乾燥が進むことで毛穴が開いたように見えることもあります」(本田さん)

夏が過ぎても注意は必要。季節・年齢で毛穴トラブルは変わる

 では、年齢によって毛穴トラブルの傾向は変わってくるのでしょうか?10代〜60代まで、幅広い年齢層の人が訪れる毛穴ケア専門店「ポアレスラボ」の古屋てる実さんに聞きました。

 「10代後半から20代の人に多いのは、過剰な皮脂によって起きる毛穴トラブル。 脂性毛穴、詰まり毛穴 黒角栓毛穴 すり鉢毛穴 メラニン毛穴です。
 20代後半以降になると、上記のトラブルに加えて、顔のゾーンによって乾燥毛穴たるみ毛穴ライン毛穴などが合わせて起こってくる「複合型」に悩むお客様が増えてきます」

20代後半からは「複合型」の毛穴に悩む人が増えます(C)PIXTA
20代後半からは「複合型」の毛穴に悩む人が増えます(C)PIXTA

 では、季節によって傾向はあるのでしょうか?

 「夏は皮脂量が多いので、ベタついたり、角栓が溜まりやすいですが、皮脂がどんどん出てくるので毛穴ケアはしやすい季節です。夏の終わり頃からは、夏の間にたまった角栓が取りきれずに黒く目立ったり、紫外線の影響で肌が厚くなる角質肥厚が起きて毛穴が詰まりやすくなります。一方、冬は乾燥によって毛穴が目立つ乾燥毛穴やおこもり毛穴、たるみ毛穴が進行しやすい季節です」(古屋さん)

 このように年齢や季節によっても毛穴トラブルは変わってくるので、「毛穴ケアってなんだか面倒…」と感じてしまいますが、基本ケアは共通しているのでご安心を。さらに、自分の毛穴タイプに応じて+αのケアを取り入れればOKなのです。

 いよいよ次回は、毛穴ケア【実践編】として、具体的なケアのやり方を紹介していきます。

文/中島夕子 写真/PIXTA

本田えりさん

美容皮膚科 タカミクリニック 医学博士、美容皮膚科医。
ニキビ・毛穴治療のパイオニア「タカミクリニック」で、数多くの毛穴悩みに向き合っている。現在抱えているトラブルの改善にくわえ、スキンケア指導を含めた生活面のアドバイスも分かりやすいと好評。
古屋てる実さん

「ポアレスラボ」 ポアリスト・インストラクター
15万人もの毛穴を見てきた毛穴ケア専門店「ポアレスラボ」で、毛穴専門エステティシャン(=ポアリスト)を育成するインストラクター。一人ひとりの毛穴状態に合わせた適材適所のケアで、毛穴トラブルに悩む人を救う毛穴の専門家。