3.プライベートの予定を真っ先に書き込む

「平日だけど絶対に休む!」と、あらかじめ決めてしまおう
「平日だけど絶対に休む!」と、あらかじめ決めてしまおう

 伊庭さんの手帳には、半年後の家族旅行の予定が書き込まれていました。仕事とプライベートの予定は分けていないのですね。

 「むしろ、長期休暇や習い事の予定は、何よりも先に手帳に書いてしまいます。『仕事が落ち着いたらやろう』では、いつまでたっても何もできませんから。『休みを取る』と一度決めれば、あとはそれに合わせて他のスケジュールを調整していくだけです」

 ここにも、「スケジュールは自分で作る」という考えが表れていました。

 「予定を立てるというのは、物事の優先順位を付けることだと思うんです。休みを取ることでどうしても引き受けることのできない仕事も出てきますが、私にとっての最優先は家族なので、それは覚悟の上です。ですから、何を置いても家族との予定を先に書き込んでいます。受け身ではなく、能動的にスケジュールを組み立てるようになると、仕事や家庭など、自分の大切なものが見えてきて面白いと思いますよ」

 「これを大切に思っていたのか!」という、意外な優先順位が浮き上がってくるのかもしれませんね。

 伊庭さんのお話はいかがでしたか。スケジューリングの目的は、「毎日の余裕を増やし、自分のやりたいことをかなえること」という定義から始まり、目からウロコのポイントもあったのではないでしょうか。来年に向けて、今から手帳の仕組みを見直してみませんか? 最初はうまくいかなくても、続けていくうちに、自然と時間の使い方が上手になっていくはずです。

 「手帳を埋める」ことはゴールではありません。スケジューリングをする目的は、時間をうまく使って、日々を有意義に過ごすことのはず。充実した毎日のために、伊庭さんの手帳メソッドをぜひ参考にしてみてくださいね。

<手帳で自分を高める3つのポイント>

・3週間先までスケジュールを埋める
・スキマ時間を可視化する
・大事な予定ほど真っ先に書き込む

聞き手・文/薮内久美子 写真/編集部

<この人に聞きました>
伊庭 正康(いば・まさやす)
伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ 代表取締役
リクルートグループにて、4万件を超える営業活動を行う。多忙な毎日を手帳によるスケジューリングで支え、残業をしないスタイルで年間の全国トップ表彰を4度、累計40回以上の表彰を受けるなど高い成果を残す。2011年に独立した後は、セールスコンサルタントとして営業研修等を手がけている。研修・講演・コーチングは年間200回以上。主な著作に「会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン」「神速仕事術40」がある。