髪の毛は2~6年伸び続ける。頭髪の90%が成長期の毛

 髪の毛も、他の体毛と同様に毛周期があり、成長期 → 退行期 → 休止期と3つの段階を一定の周期で繰り返しています。

成長期は約2~6年、退行期は約2週間、休止期は約3~4カ月
成長期は約2~6年、退行期は約2週間、休止期は約3~4カ月

 「髪の毛は90%が成長期、一方で腕などの体毛の場合は20~30%程度が成長期で、残りは皮膚の下でお休みをしている状態です。体毛と比べて髪の毛が長く伸びるのは、成長期の期間が長いからです。個人差はありますが2~6年伸び続けます。退行期は2~3週間、休止期は3~4カ月といわれます。また髪の毛は1カ月に約1cm伸びます。

 つまりミディアムヘア程度の30~40cmくらいの髪の毛の毛先は、2~4年分のダメージが蓄積されていることになります。だから毎日のヘアケアがとても大切なんです」(渡邉さん)

エイジングは30代後半から加速! 年齢別・季節別の髪の悩みとは?

 季節別、年齢別に出やすい髪の毛や頭皮のトラブルについて教えてもらいました。

季節別のトラブル

【夏・冬】
 頭皮にかゆみが出やすい。季節の変わり目に代謝が変わることが原因と考えられるが、20代のうちはそれほど感じられず、30代以降になると実感する人が多い。

【秋】
 夏の間に頭皮に蓄積された紫外線ダメージが顕在化し、抜け毛が増える人も。

【冬】
 湿度によって髪の水分量も変化。乾燥する冬は、髪がパサつき、ダメージが進む。

【春】
 花粉症などのアレルギー症状を感じやすい人は、肌が敏感になる時期。頭皮も同じように敏感になる場合がある。

【梅雨】
 湿気の多い梅雨は、一番髪の悩みを抱えやすい。特にくせ毛を持つ人は、髪がまとまりにくいという悩みも。

年齢別に多いトラブル

【20代~】
カラーやパーマなどによる、ケミカルダメージ

【30代後半~40代】
白髪やうねり毛など、エイジング現象が顕在化

【50~60代】
女性ホルモンの分泌量の低下で、薄毛・ボリュームダウン

【妊娠・出産時】
ホルモンバランスの大変動による産後の抜け毛

 髪の毛についての意外な事実がたくさん! 次回は、知らないうちにダメージヘアにしてしまう、日常の7つの習慣についてお届けします。

文/中島夕子 写真・イラスト/PIXTA

プロフィール
渡邉 絋介
渡邉 絋介(わたなべ こうすけ)
ミルボン開発本部 中央研究所基礎研究チーム チーフリサーチャー
専門は毛髪化学。東北大学卒業後、大手金融会社の総合職として勤務。その後、科学者の道へ進むことを決意し、東京大学大学院 理学研究科へ。2013年にミルボン入社。