ところが、離婚をしたくないハージは、自分のもとに戻らなければ娘には会わせないとキャロルを脅します。離婚したら、リンディの親権も、共同親権ではなく単独親権にするというハージ。キャロルが女性と親しくすることは、母親としての適性に欠けるというのです。

娘を手放したくないキャロルは葛藤する。
娘を手放したくないキャロルは葛藤する。

 ハージの態度に傷つくキャロルは、テレーズに一緒に旅に出ないかと誘います。引かれ合う二人は、心に正直に生きようと車で出発するのですが……。

 同性同士が引かれ合うことが社会から強く否定されていた当時、キャロルは真実の自分を隠さなければなりませんでした。それでも、お互いへの気持ちを否定できなくなるキャロルとテレーズ。果たして、二人はどんな決断をするのでしょうか?

 キャロルとテレーズがとにかく美しく、二人のラブストーリーに心を奪われます。アカデミー賞の常連で、「アビエイター」で助演女優賞を、「ブルージャスミン」で主演女優賞を受賞したケイトと、「ドラゴン・タトゥーの女」で主演女優賞にノミネートされたルーニー。「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督のもと、演技派の二人が共演した本作は必見です。

美しすぎるキャロルを演じたケイト・ブランシェット。
美しすぎるキャロルを演じたケイト・ブランシェット。
テレーズを好演した若手演技派女優のルーニー・マーラ。
テレーズを好演した若手演技派女優のルーニー・マーラ。

 自分らしく生きようと思っても、キャロルにはさまざまな障害が立ちはだかります。テレーズを好きになりつつも、娘への愛情もとても深いキャロル。そんな複雑なキャラクターを熱演したケイトが、映画のPRで来日し、ジャパンプレミアに登壇しました。そのレポートをお届けします!