――「僕だけがいない街」は同名の大人気マンガが原作ですが、その映画化作品に出演してみていかがでしたか?
藤原「そうですね、マンガだったら成立させられる設定でも、実写となるとそれが通用しない場合もありますよね。特にこの物語には“リバイバル”という時間が巻き戻る現象が登場するので、何度も同じ場面を撮影することになり、撮影したものがうまくつながるのか、見るまでは分からなかったんですが、実際に見てみたら『なるほど、こういう風につながるんだな』と感動しました。そういった中で、架純ちゃん演じる愛梨が悟にそっと手を差し伸べてくれて、悟は彼女に支えられながら突っ走っていくんですが、僕自身も架純ちゃんに引っ張られながら撮影に取り組むことができたという感じです」
有村「マンガの方の愛梨は女子高校生なんですね。映画では年齢の設定が少し上ですが、キャラクターの根本は同じで、一番大事なのは『悟さんにどれだけ好奇心を持って接することができるか』でした。なので、私は竜也さん演じる悟さんに対して『興味を持つ』ということを大切にしながら演じました。愛梨は人の心にスッと入り込める子なんですが、わざとそうしようとすると、ただただ鬱陶しい人になってしまうので(笑)、その微妙な加減について、平川監督と話し合いながら演じました」
――ヒット作の映像化に出演する時、何か意識することはありますか?
藤原「もちろん、多くのファンの方がいるということは頭には入っていますけれども、原作通りに演じた場合、自分の演技に納得できないこともあるので、どこかで線を引きながら、自分の解釈で演じたりしますね」
――監督からは、演じるキャラクターについて、どのような指示がありましたか?
有村「愛梨というキャラクターについては、現場で一緒に作り上げていったという感覚です。愛梨は悟さんに対して、ちょっと変わったお茶目な行動をすることがあるんですが、監督が彼女のそういう動きを考えてくださったり、私からも提案したりしながら、愛梨という女の子を作り上げていきました」
藤原「僕も架純ちゃんと一緒で、監督と話し合いながら作らせていただいた感じですね。撮影の初日と2日目は台風が来ていて、天候の影響で10時間くらい待ち時間があったので、(有村に向かって)現場で監督と話す時間がたくさんあったんだよね(笑)」
有村「そうそう、時間はたくさんありましたよね」
藤原「今回は『ゆっくりと撮っていきましょうか』というような現場でした(笑)」