――10代からお仕事を始められて、キャリアを積むうちに、どんどん強くなっていったのですね。30歳になられて、仕事への取り組み方や考え方で、何か変わったことはありますか?

 「すごく変わりました。25歳になった時に、事務所から意見を求められるようになったんです。それからは仕事が楽しくなって、今では心からこの仕事をやっていて良かったと思うようになりました。責任感というものを強く感じるようになりましたし。満足できる仕事をさせていただいているな、という実感を持てています」

――ジュディは、ズートピアの警察という、自分よりも大きな動物ばかりが活躍している場所で働こうと奮闘します。人間社会には、男性の方が有利と思われる職場で、不利な立場ながら女性が成功を目指して奮闘することもありますよね。上戸さんは、女性であるがゆえに限界があると思われて悔しかったことや、男性の方が優遇されていると感じたことはありますか?

 「私は、男性よりも女性の方が、いくつもの作業を同時に器用にこなせたり、広い視野で物事を見ることができたりするんじゃないかと思っています。それなのに、同じことで腹を立てたとしても、女性だとヒステリーという言葉で片づけられることがあったりして、それは違うんじゃないかなと、女性は損していると思うことがありますね。また、女優というものは、センシティブに扱われることが多いのですが、私はそれが苦手で、放っておいてほしい方なんです。撮影現場で傘をさしてもらえたり、寒い時は上着をかけてもらったりすると、『女優さんっていいよなぁ』なんて言葉が聞こえてきたりするんですが、望んでいるわけではないのに、『女性だから守ってあげる』という空気があることに違和感を抱くことがあります。私も含めて、女優には男っぽい人が多いんですけどね(笑)」

――なるほど。上戸さんが憧れる女優さんは誰でしょうか?

 「アンジェリーナ・ジョリーです! 女優としてのお仕事も素晴らしい上に、母としても、ボランティア活動をする姿も、とっても憧れます。きれいだけど、強さを持っていて、アクションもこなせる。子どもたちのために頑張っているという思いが伝わってくるところも、私生活が良い形で仕事に影響しているのが素敵ですよね。いじめられた経験や、薬物の問題を乗り越えた経験など、波乱万丈な過去があって今があるという。全てにおいて、すごい女性だと思います」

――上戸さんもとても美しくて、読者の憧れの存在です! 美容法や健康法など、何かされていることはありますか?

 「美容法よりも、環境が大事だと思っています。一緒に頑張れる人が一人でもいること。あまり周りに敵を作らないこと。独りぼっちだとつらいし、誰かと一緒なら、つらいことも乗り越えられますよね。あとはしっかり食べること。これは大事ですよ! どんなに忙しくても、ご飯を食べる時間もないなんて、絶対にダメです。そんなことになったら、普段あまり怒らない私でもキーッて怒っちゃいます(笑)」

――ありがとうございます。ご飯の時間は死守します!(笑) それでは最後に、上戸さんがお仕事を続ける上での原動力を教えてください。

 「家族ですね。求められると、うれしくて頑張っちゃうし、『苦しくてもやり遂げるぞ!』という気持ちになります。求められる幸せがあることが、一番の原動力になっていると思います」

文/清水久美子 写真/杉 映貴子

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