こんにちは。「女子による女子のための映画DVDガイド」の映画ライター・清水久美子です。

 日本を代表する国際派スターとして活躍している渡辺謙さん。「ラスト サムライ」でアカデミー賞候補となり、近年は映画のみならず、ニューヨーク・ブロードウェイの舞台にも挑戦している渡辺さんは、「The King and I(王様と私)」でトニー賞主演男優賞にもノミネートされました。

 渡辺さんが出演している映画「追憶の森」を紹介するにあたり、当連載ではインタビューが実現しました! 本作は、富士山の北西に広がる青木ヶ原の樹海が舞台の異色のミステリー。主演はオスカー俳優のマシュー・マコノヒーで、渡辺さんは主人公と行動を共にする重要なキャラクターを熱演しています。

「追憶の森」
4月29日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテ他全国公開
(C) 2015 Grand Experiment, LLC.
監督:ガス・ヴァン・サント
製作:ギル・ネッター
出演:マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ
配給:東宝東和
提供:パルコ ハピネット

公式サイト:http://tsuiokunomori.jp/

 まずは、映画のあらすじを紹介します。

 アーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)は、片道切符を手にアメリカから日本へやって来ます。彼が青木ヶ原の樹海を訪れた目的は、自らの人生を終わらせることでした。うっそうとした森の中に入っていったアーサーは、森の開けた場所に腰を下ろし、用意した薬を飲んで、ゆっくりと永遠の眠りにつく準備を始めます。

 ところが、傷ついた体をひきずりながら、森の出口を求めてさまよう日本人男性の姿が。「ここから出られない。助けてくれ」と懇願する男、ナカムラ・タクミ(渡辺謙)を放っておくことができなくなったアーサーは、寒さに震える彼に自分のコートを着せて、出口に続く道へと誘導することに。

命を絶つために樹海にやって来たアーサー。タクミは傷だらけだった
命を絶つために樹海にやって来たアーサー。タクミは傷だらけだった

 でもなぜか、さっき通ったはずの道は行き止まりになっていました。薬にふらつきながら歩いていたアーサーは、崖から転落してケガを負ってしまいます。それは、アーサーの人生を象徴するかのような出来事でした。

 妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)との結婚生活が行き詰まっていたアーサー。複雑な問題がいくつも二人に降りかかり、アーサーは追い詰められていきます。

徐々に溝ができていく二人。アーサーはジョーンとの仲を修復したいと思っていたが……
徐々に溝ができていく二人。アーサーはジョーンとの仲を修復したいと思っていたが……

 負傷しながらも、タクミと共に森をさまようアーサー。磁石が狂い、携帯電話も通じない樹海という魔の空間で、二人はお互いに助け合いながら、生き残るために奮闘します。やがて、さまざまな謎が解き明かされていくのですが……。

 アーサーとタクミが出口を求めてさまよう森には、一体どんな秘密が隠されているのでしょう? そして、タクミとは一体何者なのでしょうか…?