アナリー・ティプトン
1988年11月9日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス生まれ。競技アイススケーターとして、全米ジュニアフィギュアスケート選手権に出場。第11回「アメリカズ・ネクスト・トップ・モデル」で3位を受賞し注目される。2011年の映画「グリーン・ホーネット」で主人公の恋人役を演じて話題に。同年、「ラブ・アゲイン」に出演し、批評家たちから「ブレイクするスター」と呼ばれ好評を得る。2013年、「ウォーム・ボディーズ」でヒロインの親友役をキュートに好演。そのほか、主な出演作に映画「LUCY/ルーシー」、TVドラマ「私と彼とマンハッタン」などがある。

――「きみといた2日間」は、現代の恋愛について、とてもリアルに描いていますよね。ネットをきっかけにした出会いは増えているようですが、メーガンがアレックの部屋をいきなり訪れたのには驚きました。一度も外で会ったことのない相手の部屋に行くのは危険ではないかと感じたのですが、アナリーさんは脚本を読んだ時、どう思いましたか?

 「脚本を読んだ時、すごくリアルだと思ったわ。私の友人の中には『誰かと出会いたい!』と思って、結構すぐに相手の部屋に行って、結果うまくいった子もいたし、自分が何をやっているのか、自分自身できちんと認識しているのならば、悪いことではないんじゃないかしら」

――アナリーさんご自身は、ネットを使った出会いについて、どう思いますか?

 「自分の気持ちを言葉にすることが難しい人にとっては、ネット上で文章を書く方が正直になれるというのなら、直接すぐ会うよりは良い方法かもしれないと思うわ。ネットは自分の家でくつろぎながらできるので、内向的な私のようなタイプには、その方が性に合っているのかも(笑)。私自身は、今ではこのような方法を利用できなくなってしまったけれどね。ただ、ネット上でやり取りをしていると良い人だな、素敵だなと思うけれど、実際に会ってみると、『あれ? なんか違う』と思うこともあるわよね。自分が相手から、そう思われるかもしれないし。ネット上だと、自分を実際よりも良く見せようとしてしまったり、必要以上に期待してしまったりするからだと思うわ。だけど、普段の生活では会う可能性のない人と知り合えるわけだし、すでに出会いの1つの方法として確立されていると思う」

――実際にネットで相手を探したりしたことはありますか?

 「19歳の頃、ロサンゼルスに住んでいたときに試したことがあるわ(笑)。お互いに、どんな返事が来るか、ラブレターを書き合っているような気持ちだった」

――恋愛を始める時、慎重なタイプですか? それとも、割と大胆に行動するタイプですか?

 「今の仕事をやっていると、どうしても慎重にならざるを得ないわね(笑)」

――「きみといた2日間」の中で、メーガンとアレックがセックスに関するお互いの希望を言い合うシーンがありますよね。男性に自分の希望や、思っていることを言うのは難しいと感じている女性は多いと思うので、気分がスカッとするようなシーンでした! アナリーさんは、あの場面をどう思いましたか?

 「本作の監督(マックス・ニコルズ)や脚本家(マーク・ハマー)は男性だけれど、男性の視点で描かれていることを感じさせないユーモアがあるの。特に、セックスの時に電気をつけるかつけないか議論するシーンは面白かったわ(笑)。私は、やっぱりキャンドルライトでロマンチックなムードの方が良いと思うけど、男性はビジュアル重視の人が多いみたいね」

男性は女性を目で見て楽しむのが好き!?
男性は女性を目で見て楽しむのが好き!?

――メーガンは医大を卒業したのに、就職活動がうまくいかず、仕事が見つからない状況です。日本でも同じように就職難に苦しんでいる女性たちは多いです。頑張って勉強してきたのに、仕事でキャリアを築けず、悩んでいる女性たちの状況をどう思われますか?

 「弁護士である私の姉は、資格を取るのがすごく大変そうだった。まず、良い大学に入らなければならないけれど、私立も公立も学費が高くて。職業によっては、大学院まで進学しないといけないものもあるし、個人で全てを負担するのは本当に大変だと思う。それで、無事に卒業できても、就職難という現実に直面するわよね。たとえ仕事がもらえても、余裕のあるお給料をもらえるには時間がかかるし。女性が活躍するには、まだまだ難しい業界もあるから、絶対にやり抜くという気合がないと続けられないでしょうね。年齢のプレッシャーもあるし、家族が持てるような余裕のある生活を待っていたら、50歳くらいになってしまう。そんな風に感じているわ」

――厳しい状況ですよね……。

 「そうよね。劇中、メーガンは『母になりたい、妻になりたい』と言っている。彼女は医大に入れる頭の良い子だけれど、主婦や母になりたい自分を卑下していないの。私の母も強くて賢い人だけど、主婦として人生を楽しんでいるわ。仕事と子育てのバランスを、どうやってとっていくかが大事だと思う。まぁ、そのバランスのとり方が一番難しいのでしょうけど」

――メーガンは、長い間交際してきた彼と婚約までしたのに、失恋してしまいます。この設定も非常にリアルだと感じました。もしも、メーガンがアナリーさんの友達だったら、彼女をどんな風に励ましたり、アドバイスしたりしますか?

 「そうね、私だったら、とにかく話を聞いてあげるわ。そして、彼女を笑顔にしてあげたい。『あなたは何も変わってないし、これであなたの価値が落ちてしまったわけでもない。あなたのせいじゃないのよ』と言って、励ましてあげたいわ」

恋愛も仕事もうまくいかず、落ち込むメーガン。
恋愛も仕事もうまくいかず、落ち込むメーガン。

――そんな風に励ましてもらえたら、きっと元気になりますね! ところで、アナリーさんはアイススケーター、モデルを経て、現在は女優としてどんどんキャリアアップされていますが、今後挑戦してみたいことは何ですか?

 「実は、私はアイススケーターから転身したわけではなくて、高校の頃にもうスケートは十分かなと思ったの。もともと映画製作に興味があって、大学もその方向に進学したのよ。その頃に『アメリカズ・ネクスト・トップ・モデル』に出ないかと声がかかって、何事も経験かなと思って参加してみたの。それをきっかけにモデルの仕事も始めて、だんだん女優業もやるようになったのよ。こういったキャリアをたどってきたけれど、今後は映画監督にも挑戦してみたいと思っているわ!」

――ありがとうございます。では最後に、「きみといた2日間」の見どころ、お薦めコメントをお願いします!

 「すごく共感を持ってもらえる作品だと思うわ。楽曲も良いし、観ていてハッピーになる映画よ。そして、観た後に必ず友人や恋人と語り合いたくなる作品なの。この映画は、今どきの恋愛事情をよく押さえていて、男性にも女性にも楽しんでもらえると思うわ!」