柑橘類ミックスのポン酢

酸味が強くないものが人気
複数の柑橘類をブレンドしたポン酢が大集合! どんな柑橘類を使っているかはビンの裏側の原材料名の欄でチェックできる。

 ゆず、すだちに加え、あまり聞きなれない「ゆこう」の果汁を使っているのが、兵庫県・日本丸天醤油の「天翔ゆずぽん酢」(380円)だ。ゆずよりもやや大きめで、香りが強いことから漢字では「柚香」とも書く。複数の柑橘類を使っているが酸味は強くない。岩本さんは「ゆずの香りもしていて美味しい」と高評価。「ラベルデザインが歴史を感じさせる」(中川さん)という声もあった。

 この商品には減塩のタイプ「天翔減塩ゆずぽん酢」(410円)もある。ゆずの香りは同じくしっかりあるものの、鍋料理に合わせるとなると、こちらの減塩タイプではなく通常タイプのほうがいいという結果に。

 「板前手造ゆずポン酢」(日本丸天醤油 530円)は徳島県産のすだち・ゆこう、徳島県産・高知県産のゆずと組み合わせたポン酢。「酸味をしっかり感じるけれど、強すぎず、食べやすい」(北本さん)、「シンプルな味で、バランス良く食べ進められそう」(伊能さん)、「かつおの味もしっかり感じられる」(岩本さん)という声があった。同シリーズには、やや酸味を強くした「板前手造ポン酢」(日本丸天醤油 530円)もある。

 ヤマサの「ヤマサええぽん酢」(480円)はすだちを中心に柑橘果汁をミックスした商品。「果汁が多く含まれている味がする」と伊能さん。

りんご酢、大根おろし入り、甘味のあるポン酢など、変わり種も

 青森県のワダカンの「八方ぽん酢」(285円)には、ゆずのほか、同県産のりんごを発酵・醸造させて作ったりんご酢が加えられている。「色はほかのものに比べると薄いけど、ホタテやあさりのエキスが入っているからか深みがある」(北本さん)と、あまり馴染みのないりんご酢を使ったポン酢だが美味しいという声が多かった。

 九州地方ではポン酢自体が甘くて濃い傾向があるようだ。鍋屋食品の「萩美人」は「金」「特選」と味わいの異なる2品がある。だいだいを中心にした柑橘類をブレンドした「萩美人 特選」(600円)について、長崎県出身の岩本さんは「味がしっかりしていて、鍋にはこれぐらいの濃い味がいい」と評価したが、「味にくせがあって苦手」との理由で低くつける人もいた。

 福岡県の「博多んぽん酢」(ユマニテ 650円)には宮崎県日向市特産のライムに似た柑橘類のへべすが入っている。大根おろしや豆板醤、刻みしょうがも入っており、これ1本で薬味の用意はいらない“オールインワン”の味になっている。同シリーズの「辛・博多んぽん酢」(ユマニテ 670円)は、大分県産の柚子胡椒をブレンド。ボトルデザインからドレッシングを想像させるが、実際の味も「調味料として万能に使えそう。お肉にかけてがっつり食べたいですね」(伊能さん)と、鍋以外の用途のほうがその味が生かせるという意見が多かった。

 甘みのあるもので評価が高かったのが、ソムリエの田崎真也氏が開発監修した「極上ぽん酢」(タマノイ酢 オープン価格)。サラダにも合う味に仕立てている。こちらもドレッシングを思わせるボトルデザイン。

 ポン酢の酸味は強いものから弱いもの、またむしろ甘味のあるものなど風味はさまざま。今回食べ比べしてみたなかでも、酸味の強いものは「鍋よりもほかの用途に合う」という評価になった。

ゆずのみのポン酢

ほどよい酸味があることが求められる傾向

 次に、ゆずのみを使ったポン酢を比べてみた。

ゆずを使ったものは、パッケージにゆずの絵をあしらったものが多い。

 キッコーマンの「高級ぽん酢柚子」(250ml 360円)は、テイスティングしたなかでも濃厚な味わいが印象的な1本。鍋に合うという点では評価が集まったが「美味しいけれど、どの辺が高級なのか分かりづらい」(岩本さん・伊能さん)という意見もあった。「かおりの蔵 丸絞りゆず」(ミツカン 150ml 230円)は「ラベルにゆず感がたっぷりあり、安心感があるデザイン」(中川さん)、「いま自宅で使っているのがこれ。味のバランスがよく、お刺身にも使っている。価格が手ごろでたっぷり使える」(北本さん)とコメント。

 味やデザインではない点で注目を集めたのがチョーコーの「有機ぽん酢 うすいろ」(660円)。有機JAS認定のほか、国際有機認定機関であるエコサートの認証も受けている。「オーガニックなものにこだわる人に、しっかりと証明をとっているのは安心できるのでは」(北本さん)という声があった。

ゆず以外の柑橘果汁ポン酢

鍋よりもサラダや焼肉に向く

 ポン酢人気が広がるなかで、さまざまな食材を使ったポン酢調味料も登場している。

全国に販路を持つ大手メーカーからご当地ものまで、レモンやシークヮーサー、はっさくなどの柑橘ポン酢。梅しそ、ごま、にんにく、蛸せんべいを風味に加えたものもある。

 複数の柑橘類をミックスして作ったものやゆずの枠には入らないが、和食のアクセントに添えられるすだちを使った「すだちポン酢」(マルカン酢 450円)は、隠し味に使った梅酢もあいまってさっぱりした味わい。伊能さんは「1本ですだち10個を使っているからか、ほっぺたの後ろにキューっとくる酸っぱさがある。大根おろしにたっぷり入れて、お餅にからめたい!」とコメント。

 北本さんはチョーコーの「シィクヮーサーぽん酢」(300ml 640円)が気に入ったようで、ゆずやかぼすとは違うシークヮーサーのさわやかな味わいをポイントに挙げた。「日向夏ぽん酢」(ヤマエ食品工業 360ml 430円)は「へべすが入っていて美味しくて、体にも良さそう」(岩本さん)、「すっきりさわやかで、じゃぶじゃぶ使える程よい濃さ」(中川さん)と好印象だったようだ。

 広島県では、はっさくやレモンなど瀬戸内の柑橘類を使ったものがバラエティー豊か。尾道市・杉田与次兵衛商店の「はっさく島ぽん酢」(476円)、三原市「蛸ぽんず」(蔵 722円)などは、テーブルサイズで便利。中川さんはレモンを使ったポン酢が気に入ったようで、「旨塩ぽん酢 レモンの香り」(三原農業協同組合 352円)には「すきっとしていて珍しい。一家に1本常備したい」とコメント。「寺岡家 レモンぽんず」(寺岡有機醸造 380円)は「美味しい! ラベルデザインもインパクトがあって◎」と新しい味覚体験を満喫した様子。

 柑橘系以外のポン酢のなかでは、喜界島のごまを使った「薩摩ぽん酢」(ヤマエ食品工業 400円)や「熟成黒にんにくぽん酢」(ワダカン 438円)の味が好評だったが、鍋料理に合わせるという点で、総合評価が低くなってしまった。柑橘系以外のポン酢は、サラダのドレッシングやチキンソテーなど、洋食のバリエーションに使いたくなる商品が多かった。

 鍋料理に合わせるという点で、総合評価が低くなってしまったが、サラダのドレッシングやチキンソテーなど、洋食のバリエーションに使いたくなるものが多かった。

 それではいよいよ、ベスト3の発表へ!