なぜ「あなた」という呼びかけが効くのか?

 ハフィントンポストの記事でトルコス氏はこんなふうに話していました。

 「人は、アドバイスを受けるときに『あなた』や『キミ』と呼びかけられることに慣れています。自分のモチベーションをアップしやる気を出すときには 『あなた』と呼びかけて自分に助言を与えると、視野が広がり、周りの人が自分をどう見るかを考えたり、今までにもらった励ましの言葉を思い出したりするのです。さらに、人は行動力や自制心を求められるとき、否定されるような立場のときには、無意識のうちに自分に『お前』のように呼びかけます。」

 ほかの人を見ているときには「こうしたらいいのに」と感じられるのに、自分のこととなると見えにくくなる。誰でもそんなものではないでしょうか。

 「あなた」という言葉と一緒に、自分を外から客観的に眺めてみること。するといろんな部分が見えてきて、すべきこともピンポイントで分かるかもしれません。それに、やる気のない自分を外から見たら、「あなた、頑張りなさい!」と言いたくもなるってものです。

 さらに、“書き出す”ことは、心の中で言い聞かせるのとは違う効果が得られるとのこと。確かに、書くことで自分の考えがくっきりと浮かび上がります。自分に言い聞かせるためには、心で思うのとは別の方法といえるのかもしれません。

 自分を上手にコントロールできる女性は魅力的。そのためには、一度自分を離れてみること。やる気がないときも、落ち込んだときも、自分に向かって「あなた」と声をかけたり、励ましの言葉を書き出したりするだけで、応援されている気分になれそうです。

今週の 英語でこう言う!

自己動機づけ・自発性
self-motivation

「あなたはできる!」は“You can do it!”で、「私はできる!」なら“I can do it!”。やる気を出すためには、主語はyouがいいというのが今回のお話でした。ちなみに、オバマ大統領の選挙キャンペーンのスローガンは“Yes, we can. ; We can do it; We can change.”。みんなで国を変えて行こう! というコンセプトのもとの言葉のため、主体は「私たち」でした。


【参考資料】
Research Digest, Self-motivation: How "You can do it!" beats "I can do it!" Dolcos, S., & Albarracin, D. (2014). The inner speech of behavioral regulation: Intentions and task performance strengthen when you talk to yourself as a You HUFFPOST SCIENCE, Need Motivation? Here's How To Talk To Yourself, According To Science.

文/上野陽子

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