前代未聞! 政治家になったファーストレディ

 ヒラリーは、自分がファーストレディの間に議員に立候補した前代未聞の人。69歳の現在に至るまでキャリア派そのものながら、実は、ボーイフレンドだったビル・クリントンを追いかけて、アーカンソー州に移住した人でもありました。

1947年 米イリノイ州シカゴ生まれ。
1969年 マサチューセッツ州の名門ウェルズリー大学卒業。
1973年 イェール大学ロースクール(法科大学院)卒業。弁護士に。
1975年 大学院で同窓だったビル・クリントン氏と結婚。
全米で最も優秀な弁護士100人にも選出された。
1978年 夫ビル・クリントンがアーカンソー州知事に就任。
1993年 ビル・クリントンが大統領に就任。
2001年までファーストレディとして医療保険改革に取り組む。
2000年 上院選当選。06年再選。
2008年 大統領選でオバマ氏に敗れ、その後撤退。
指名を受け手オバマ政権の国務長官に就任し、13年に退任。
2015年 大統領選に出馬表明。
2016年 7月民主党の大統領候補。

ファーストレディ中に議員に立候補 (C) PIXTA
ファーストレディ中に議員に立候補 (C) PIXTA

 政治家としては上院議員、国務長官を経験するなど大ベテラン。富裕層への課税強化や学費負担の軽減など、生活者にやさしい側面を見せ、日米安保条約の尊重も約束。ただ、外交に関してはオバマよりも強硬姿勢だとされ、また政治献金者に優遇措置をしたなど利権がらみの疑いも聞かれます。さらに国務長官時代に私用メールアドレスを公用に使用した件は、FBIの捜査も入るなど予断を許さない状況です。

 2008年民主党内での大統領候補選で、バラク・オバマ氏に敗れた時、支持者たちに感謝して残した言葉「この道は、次はもう少し進みやすくなるでしょう(The path will be a little easier next time.)」は、この年の雑誌TIMEの名言ベスト10に入っています。つまり、女性にとって簡単な道ではないけれど、自分が立ったことで、後進がその道を通りやすくなったはず、というわけです。

 そして、政治家の妻としては、ちょっと面白い言葉も残しています。