土地柄でも支持に大きな違いが

 ヒラリー・クリントンが勝利した州はカリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツといったリベラルな土地柄。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)などの有名大学があり、比較的高学歴の人たちが多くみられる都市部です。さらに、移民も多いため人種や性マイノリティでも目立つことなく比較的生活がしやすい所でもあります。

 一方のトランプが勝利したのは、どちらかというと広大な土地に恵まれた、労働者層が多い地域でした。大勢の前で声をあげられる立場にある大手マスコミにはヒラリー支持者が多く、声をあげる場が少なく世論調査すらも回り切っていない可能性がある労働者層の声を拾いきれなかったことも理由の一つではないでしょうか。

 さらに、直前のマスコミによる世論調査では、わずかにヒラリーが勝っていました。捕まえられそうな範囲に相手がいるときには支援者たちに熱が入るアンダードッグ効果も、選挙にはよく見られる光景です。そんな状態もトランプ勝利の一つの糧。ただ、大きな差ではないので、ゴシップやスキャンダル合戦といった選挙直前のオクトーバーサプライズからの痛手も含めて、どちらに転んでもおかしくなかったと思います。

 今後については、トランプの選挙中の言動から移民やマイノリティに厳しい制限が課せられることが予想され、今までのような自由が失われるのではないか、といった意見が聞かれます。

 これを受けてイギリスの「ザ・テレグラフ」では、「大統領選のトランプショック後のベスト風刺画」と題して、次のような過激な風刺画を紹介しています。