黒キクラゲと紫キャベツのナムル

 3品目は「薬膳ナムル 作りおき1週間レシピ」から「黒キクラゲと紫キャベツのナムル(肩こりにいいらしい)」を作ることにした。キャベツの紫とパクチーの緑がキレイ。こんな野菜の1品がテーブルにあったらいいなという感じだ。

 もうこれは「紫キャベツさえ買えれば」勝ったも同然だと思っていた。しかし、東京とはいえど西の果て、H王子のスーパーに紫キャベツはなかった。前にも料理担当の記者と、

「冬キャベツより春キャベツの方が作りやすいですよ」
「いやH王子のスーパーは、基本的にキャベツ1種類しかないから。紫もめったにない」
「だって、H王子はけっこう都会で、駅前なんか何でもありそうじゃないですか?」
「メインのH王子駅前はな(H王子市内には10以上の駅があって、みんなそこそこショボい)」

 ……という、不毛な会話をしていた。今回は「ウソじゃないもん」アピールのため、回ったスーパーの売り場担当者に聞いてみた。

大手D「そうですね、ここ半年は入荷ないかな」
大手K「うち、入れてないんですよ。ええ、全然です」
地元大手A「私が担当になってからはないですね(何年目だよ?)」

 紫キャベツの色素、アントシアニンがないのだから「負けたも同然だ」と思いながら、H王子でもゲットできる「普通のキャベツ」で作ってみた。

 黒キクラゲは水で戻して細めに切る。キャベツはやや太めの千切り、パクチーは根を切って4㎝ぐらいに切っておく。湯を沸かし、パクチー、紫キャベツ、黒キクラゲの順で茹で、水を切る。横着な私は「どうせ混ざるんだから」と、野菜は網ですくって湯は使い回した。大きめのボウルで豆板醤、ハチミツ、ナンプラー、レモン汁を合わせて「簡単チリソース」を作る。水を切っておいた野菜と、おつまみコーナーで売っている「アーモンドフィッシュ」を加えて混ぜれば、出来上がり。

 これは、作りたてと、ちょっと時間がたったときで、かなり食感が違う。作りたてはアーモンドも小魚もカリカリなのでクリスピーな感じ。時間がたつとしんなりしてしまうが、それはそれで、また別の美味しさがある。「簡単チリソース」だけなめてみるとけっこう甘めなので、「これでキクラゲってどう?」って思ってたけど、食べてみると、それこそがチャーミングポイントだった。甘みが食欲をそそるので「ご飯が炊けるまで、それ食べて待ってて~」なんて言われようものなら悪魔に取りつかれたように1丼食べてしまうだろう。

 くわしくは「日経ヘルス」5月号 P42「肩こり、むくみ、目の疲れ、気になる不調を解消! 薬膳ナムル 作りおき1週間レシピ」を読んでね。

おいしい度 ★★★
ヘルシー度 ★★★
野菜不足イッキに解消度 ★★★★

文・写真/竹島ぽてち