【おにぎりのカツオだし茶漬け】

 きちんとだしをとるなら、沸騰させたお湯1Lにカツオ節30gを入れ、全体がくたっとしたらざるにペーパータオルを敷いてこす。面倒なら耐熱容器に12gのカツオ節を入れ、沸騰したお湯400mlを注いで蓋をして、2~3分後に茶こしなどでこす。今回は厚削りを買ったので10分煮出してみた。

 このカツオだしに醤油とみりんを加えて片栗粉で軽くとろみをつける。器におにぎりを入れ、だしをかける。具材はワサビと刻みのりをのせるだけ。

 最初はちょっと不安だった。「だしだけ? おにぎりに具が入っていたほうがいいんじゃないの?」とか。そんな不安も、だしをひと口飲んだら霧散した。「あ、この味、この幸福感、知っている!」と体が叫ぶのだ。もう遺伝子にカツオだしのうまみ情報が組み込まれている感じ。おにぎりに到達するまで、だし汁のおかわりを2回もしてしまう。記事には「満腹感」と書いてあったが、これは「うわ~~、うまいもの食べちゃってますよ~~っ!」という「満足感」。幸福スイッチがオンになる感じなのだ。もう「バカですか?」というほどリピートして、ご飯がないときはコンビニで銀シャリおにぎりを買ってオーブンで焼いてみたり、「塩昆布はどうだ?」とか合わせワザも試してみたりしたんだけど、やっぱりシンプルがベスト。アレンジといえば、せいぜい焼きおにぎりで香ばしさをプラスするか、ワサビの代わりに柚子胡椒を使うぐらいのところ。

 だしをとるのに3分、その間におにぎりをチンすればOKだから、残業で遅くなった夕食にもオススメ。お腹の中からポカポカの幸福感がじんわりと全身に広がって1日の疲れをいやしてくれるのだ。

おいしい度:★★★★
ヘルシー度:★★
DNAが狂喜乱舞度:★★★★
(★四つで満点)
【編集Hの天の声】
「おにぎりのカツオだし茶漬け」大絶賛。ぽてちさんのアレンジ熱を退けるとは、だし茶漬けの完成度、侮りがたし。ユネスコ無形文化遺産“和食”の神髄を見るようですな。それなのに、「ヘルシー度」が星2つってどういうこと!?と思ったら、ははーん、食べ過ぎるんですね、うますぎて。「umami」が海外の辞書にそのまま載っているというのは知りませんでした。試しにロングマンのオンライン辞書を引いてみたところ、「…a strong pleasant taste…」という言い回しが。確かに相当インパクト強いみたいですね。

くわしくは「日経ヘルス」2015年11月号108ページ「旬の食材ヘルシーレシピ Vol.42 カツオ節」を読んでね。