お金を貯めたいなら、アクセス便利な下町エリアを狙うのも手

 更におしゃれなパン屋さん、カフェ、飲食店が多いと外食費も高くつきます。また、可愛い雑貨屋さんや洋服屋さんがあると会社と自宅との往復の間にもついついお買い物をしてしまいますね。

 東京に住んでいた時におしゃれエリアと下町とで生活をしたことがあるのですが、圧倒的に下町のほうが生活もしやすく貯金ができると感じました。

 下町には安価な商店街があり、激安スーパーやドラッグストアがあり、おしゃれな雑貨屋さんなどがほとんどなかったからです。家の近くでは生活必需品だけを買い、必要な物がある時に近くの街に出かけるというメリハリがついた暮らしができました。

 最後におしゃれエリアにはリッチな人が多く、周りにつられてついついちょっとよい物に手を出しがちになります。着ている物、身につけている物、ライフスタイルなどを無理に真似してしまうと家計が苦しくなってしまいます。他方で下町では地に足が付いた堅実な人が多いので派手な格好をするとかえって浮いてしまいます。控えめにしようという気持ちが働くのでお財布にはとても優しくなります。

 私は今、シンガポールで生活をしていますが、お金持ちが多い国なので財布の紐が緩みがちになってしまいます。同じような物を買ってもスーパーによってお会計の値段が3倍くらい変わってきます。ランチもフードコートで食べれば500円程度ですが、ちょっとおしゃれなところだと3000円近くになってしまいます。

 日本だと普段のランチとしては考えられない値段ですが物価が高い国だとこれくらいしてしまうのです。ブランド物を身につけている人も多いので自分ももう少し身につけたほうがよいのかしらと、大学に入学した時に感じたようなちょっとしたコンプレックスも出てきてしまうのです。

 このように、おしゃれエリア、お金持ちが多いエリアに引っ越してしまうと、「お金を使わなきゃ」という気持ちが自然と働いてしまうために、お財布の紐の締め方に注意が必要になります。他方で下町、庶民的なエリアだと物欲が沸くようなところも少ないので地に足が付いた生活を送ることができ、貯金がしやすくなります。

 期間限定で貯金は気にせずに思いっきり楽しみたいという場合は別ですが、貯金を作りたい、生活を整えたいと思っている人はおしゃれな人気エリアは外して会社から通勤が便利で生活がしやすいエリアを選択するほうがベターかもしれません。

文/花輪陽子 イラスト/本郷史織

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