興味のない部署に配属されて…

 上司が本当に普通の大学生のように振る舞えたかどうかはわからない。でも、就活にのぞむ考え方としては間違っていないのかもしれない。
 内定をもらえたこの会社に入ってみると、待っていたのは、「自治体向け事業」の部署への配属だった。
 「仕事にはあまり興味が持てなかったですね。地方自治体に、情報システムを提供したり、そのアフターフォローをしたりする仕事。それは「自分のキャラを広めたい」という夢とは何の関係もないと思っていました。だから、とにかく定時で家に帰って、イラストを描いたり、ネットで発表したりという活動に夜の時間を使いたかった」
 入社1年目のとき、上司はすでに、講演を頼まれたり、テレビに出たり、本を書いたりしていた。
 とはいえ、会社を辞めようとは思わなかったそうだ。

 「僕は、秀でた才能があるわけではない人間です。夢のために会社を辞めてフリーになっても、きっと食べていくだけで精一杯になる。だったら、会社で働いて給料をもらいつつ、退社後の時間を使って作品づくりに打ち込んだほうがいい」

 定時退社だなんて、今の上司からは想像もつかない。
 いったい何が転機になったのだろうか……?

*続きはこちら→第十四回副業が会社バレ→クビを覚悟→希望の部署に異動 なぜ?

文・イラスト/吉永龍樹


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