あなたはどの幸せを選ぶ?

柚月:いまだにそういう時もありますが、今は、逃げちゃいかんと思って。何か新しいことをするというのは怖いことでもあるんですよね。

吉永:リスクが伴いますよね。だから、全員に柚月さんと同じようにやれとは言えない。それに、そうじゃない幸せは絶対にある。これからの時代は特に、幸せが多様化していくんだと思います。
 自己分析をして、自分を見つめ直した結果、現状が一番いいとなったら、それがベスト。SNSでは色々な人の華々しい活動が出てくるので、こんな賞を取りましたとか、こんなところに行きましたとかいう情報に惑わされる。だから、SNSに惑わされない、私は私でいいんだという強さは必要だと思います。自分自身を肯定できる強さを持っているといいんだろうなと。

柚月:吉永さんは、人生で初めてのタイプの上司なんです。上司に自分の夢を聞かれたことはなかったですから。

吉永:僕はどんな人に対しても「その人の特殊能力」に興味があるんです。それが、部下のマネジメントにおいては幸いしているんでしょう。相手が本当に好きな話を聞くと面白いじゃないですか。僕は群を抜いて面白い、特殊な話を聞きたいんです。

 例えば、ヨーヨーの世界チャンピオンに会うと、部屋の湿度を気にしていたりする。糸が湿気を帯びて糸の重さが変わるから、このウルトラCの技はできないとか考えているんですね。湿度が一定のパーセントの時じゃないとできない技があるみたいで。僕はヨーヨー自体には興味はないけれど、この話はすごく面白い。そんな話を聞いて、どれだけ自分の技能に真摯に向き合っているのかが分かると、襟を正される。僕はそこまでウェブに向き合っていないなと思って正すわけです。そういう意味ですべての能力に興味があるんです。
 「ヨーヨーのチャンピオンの話を聞いたからウェブのクオリティが上がる」、そんな不思議なことが実際にあり得るから、現実は面白いんですね(笑)

Profile
吉永龍樹
吉永龍樹(よしなが・たつき)
1979年生まれ。 静岡県出身。 学生時代に作成した個人サイト「僕の見た秩序。」が4年で1億アクセスを突破。現在は東京都を拠点に、サラリーマンクリエイター、インターネット専門家としてウェブサイト、ソーシャルメディアを中心に活動中。著書に『ゆかいな誤変換。』『ハイブリッドワーカー』『言い訳ばかりの私を変えた夢みたいな夢の話』など。Webクリエーションアウォード Web人賞受賞。LINEスタンプ「ゆかいなエヅプトくん」は女子高生を始め、世代を越えて大ヒット中。最新作は「激しく動く★肉くん3」スタンプ。
Twitter: https://twitter.com/dfnt
Facebook: https://www.facebook.com/dfnt.net

柚月裕実
柚月裕実(ゆづき・ひろみ)
Web編集者、ライター。IT関連会社のサービス企画部門のアシスタントとしてIT関連会社に入社後、時事ネタやヘルスケアの記事を書く仕事を経て、自分が大好きなアイドルについてのコラムを書く仕事を2013年より始める。15年からイラストレーター崎田ミナさんのヨガの連載を、16年からは主婦イラストレーターTamyさんの食べ物連載を手掛け、相次いで連載の書籍化が決定。崎田さんの『自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ』(飛鳥新社)は、17年1月の発売と共に大きな話題に。Tamyさん『たべてしあわせ おいしいノート(仮)』(メディアソフト)は4月発売予定。今年1月よりウェブサイトの運営や編集をする他社に転職。自分の夢をかなえる人生を更に大きく開いていくべく歩みを進めている。

文/大塚千春 写真/鈴木愛子 イラスト/吉永龍樹


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