それは危険ドラッグ…じゃなくて!

 実際、同僚には誰にも話したことがない。

 「やっぱり何かありそうな気配を感じるな。誰にも言わないから教えてよ」

 誰にも言わないっていっても、それについて企画を立ててサイトにのせたら、世界中の人に知れ渡ってしまうではないか!

 「人にあんまり言えないくらい大切なもののほうが、コンテンツとしてはすごみが出てくるからいいんだよ」
 「いや、ちょっと……。今後の会社での立場とかを考えると……」

 もじもじしていると、上司はまたノートに変なイラストを描き始めた。

 入れ歯が外れたおじいさんのような絵に「モジモジウーマン」と書いている。
 ……それ私かよ!

 「まずは1回やってみようよ。自分がとてつもなく好きなものの企画を立てて、サイトにのせちゃおう。責任は僕が持つから、何について書いてもいいよ」
 「……本当に何でもいいんですか?」
 「うん」
 「じゃあ、『2.5次元ミュージカル』について書きたいです。マンガやアニメが原作のミュージカルのことなんですけど、声優とか若手の俳優が、舞台でキャラを演じるんです……」
 「おお、それはすごそうだね! 『危険ドラッグ』について書きたい、とか言われたらどうしようかと思ってたけど、その企画なら全然大丈夫だよ。さっそく書いてみてよ!」

*続きはこちら→ 第四回 恥ずかしい趣味を仕事に生かしてみた 上司の反応は?

文・イラスト/吉永龍樹


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