なりたい自分になるための方法とは

金澤さん:キャリアを築いていく中での気付きや、学んだことがあれば教えてください。

藤原さん:私は20代後半でコーチングを受け、5年後、10年後、20年後に自分は何をやりたいか? という分析をコーチと徹底的に話し合った時に、初めてやりたいことが明確になった気がします。その後もコーチとはお付き合いがありまして、会社で管理職のお話をいただいた時に相談したこともありました。

 私自身、実は管理職やマネジメントに興味が持てず悩んでいた時期があったのですが、「マネジメントはテクニックを学べば大丈夫。何より、今の会社でやりたいことがあるなら管理職をやらないとダメよ」と言ってくださって、気持ちが楽になったのを覚えていますね。

小原さん:キャリア形成の過程でこれをやっておけばよかった! と思うのは、語学の勉強などの「自己学習」ですね。例えば、弊社では外国籍の方もたくさんいて、ほかの外国の部門との交流もありますので、コミュニケーションをとる上でも英語スキルが求められます。あのときもっと勉強しておけばよかった、と後悔しないためにも、どんなに忙しくても自己学習の時間はしっかり確保すべきだなと思いましたね。

部下のやる気を引き出し、合わない上司に対処する その方法は?

 講演の最後には、参加者からリアルな悩みや質問があがりました。4人の先輩リーダーたちが丁寧に答えてくれました。

一人目の質問:先ほどご自身のモチベーションを維持するには? というお話がありましたが、チームのモチベーションを維持するためにやっていることがあれば教えてください。

小原さん:私が携わっているプロジェクトでは、情報共有ミーティングを月に1回開催しているのですが、その中で若手には成果発表のようなことをしてもらっています。例えば、新卒入社の子が今何をしていて今後どう動いていく計画なのか、またそれをサポートしたのは誰か、お客様からはどんな反応があったか、ということを発表してもらうんです。自分の仕事が、このプロジェクト全体にどんな影響を及ぼしているかということを再認識できる場を設けるということですね。また、弊社では飲み会が多いので、その時に積極的に交流したりもしています。

遠藤さん:上司と部下という立場の違いがあったとしても、人と人として対等に向き合うように心がけています。自分の肩に力が入っていると相手にも力が入りますから、ここは安全な場なんだと思ってもらうためにも、まずは自分の力を抜くようにしていますね。そうすることで、人と人としての信頼関係が生まれやすくなるんじゃないかと思います。

 あとは、部下に対して「あなたのことが大事だよ」「あなたのことが大好きだよ」という気持ちを言葉にして伝えるということも大切だと思います。自分は認められている、必要とされているということ感じられれば、仕事に対するモチベーションも自ずと上がるものではないかと考えていますね。

鉄さん:そもそも「何のために働いているんだろう?」ということを部下や後輩とも共有するといいんじゃないかなと思います。日々の仕事に忙殺されてしまうと、どうしてもモチベーションが下がってきてしまいますので、マネジメントする場合は少し引いた目線に立って、何のためにこの会社にいて、目指すところはどこなのか、ということを再確認しながら接するのがいいのではないかと思います。

藤原さん:モチベーションを上げる方法として、一つは視野を広げてあげることですね。今やっていることが未来にどうつながるか、自分の仕事が会社の中にとってどれだけ意義があるか、ということを認識してもらうことで、働き方も変わってくると思います。もう一つは、部下のキャパをよく把握して、そのキャパを少しだけ上回るような仕事を任せると、自然とやる気を出して仕事してくれる気がします。