イノベーティブものづくり賞

~世界初の技術を搭載するVR用ヘッドマウントディスプレーを発売した次世代ものづくり経営者~

小島由香さん(29歳) こじま・ゆか
FOVE CEO

VR用のヘッドマウントディスプレーを開発。
視線の動きを感知する世界初の技術を搭載。
世界から12億円を超える出資を集める次世代経営者

 テレビゲーム機「プレイステーションVR」など、家庭向けのVR(仮想現実)端末が相次いで発売され2016年は「VR元年」といわれる。ゲームなどでVRコンテンツを楽しむのに必要なのがヘッドマウントディスプレー(HMD)。小島さんは、この11月に世界初の「視線追跡機能」を搭載したVR用HMD「FOVE」を発売した。視線追跡機能は目線の動きを赤外線で感知する。ゲーム内でプレイヤーが視線を動かすだけで、操作を行えるもの。世界中の出資会社から資金を集め、11月に新製品の予約販売を開始した。


子育て家庭応援ビジネス賞

~子育て中の人を応援し、地域のためになるビジネスに成長させた~

馬場 加奈子さん(44歳) ばば・かなこ
サンクラッド 代表取締役

3人の子供を持つシングルマザー
学生服のリサイクルビジネスを創業し、全国展開を実現

 大学卒業後、保険会社に就職。結婚を機に退職し、3人の子供を出産する。その後、離婚を経て、1人で子育てをしながら、制服のリサイクルショップ「さくらや」をオープンする。制服のリサイクルを思いついたのは、自身の経験から。子供の成長に合わせて気軽に買い替えたいなど、子育て中の多くの人が感じている不満を上手にビジネスに生かした。買い取った制服の洗濯や刺繍取りなどの作業は、地域の障がい者施設や高齢者に委託するなど、地域のためになるビジネスにもしている。現在は月会費3500円のパートナー制を採用し、全国に18店を展開するまで成長させている。


チーム2017賞

~がん患者のための無料の相談施設を2016年10月にオープン~

左:秋山 正子さん(66歳) あきやま・まさこ
NPO法人マギーズ東京 共同代表理事・マギーズ東京センター長
右:鈴木 美穂さん(33歳) すずき・みほ
NPO法人マギーズ東京 共同代表理事

2人に1人が「がん」になる日本で、
がん患者を支援する新しい場 「マギーズ東京」開設をチーム力で達成!

 がん闘病の不安や悩みを看護師や臨床心理士に無料かつ、予約不要で相談できる「マギーズ東京」(東京都江東区)を2016年10月にオープン。モデルとなったのは英国の『マギーズセンター』。患者が心のよりどころにできる場が必要と感じていた秋山さんを、同じ思いを持った鈴木さんが訪ねることで日本にもマギーズセンターを作ろうというプロジェクトがスタート。開所や運営資金は、クラウドファンディングや寄付などで総額8000万円を集めた。秋山さんの運営ノウハウと、鈴木さんの行動力で 10月にマギーズ東京の開所を実現。オープン後、訪問者は後を絶たない。



 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」は、(1)働く女性のロールモデルを掲示、(2)組織の中に埋もれがちな個人の業績に光を当てる、(3)活躍した女性たちを通して時代の変化の矛先をとらえるという主旨のもと、1999年から毎年実施するアワードで、本年が18回目となります。『日経WOMAN』は、1988年の創刊以来、「働く女性」をバックアップしてきました。今後も「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」を通じ、社会で活躍する女性を表彰することで、時代を担う女性たちを応援していきたいと考えています。なお2016年12月7日発売の『日経WOMAN』1月号では受賞者紹介と審査結果の詳細を掲載いたします。

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」の詳細については『日経WOMAN 1月号』をご覧ください。