「ブレイクドラマ制作賞」「イノベーティブ起業家賞」は?

 「ブレイクドラマ制作賞」はテレビ朝日 総合編成局 ドラマ制作部・貴島彩理さんが受賞。自身の体験をヒントにしたオリジナルドラマ「おっさんずラブ」は大ヒットとなり、今年の新語・流行語大賞トップテンにも選ばれた。勝屋さんが盾を渡す際に「ドラマ嫌いの僕もはまってドラマラブになりました」と切り出すと、会場には笑いが広がった。

 また、ドラマに主演した俳優・田中圭さんからビデオメッセージが流れると参加者の視線は画面にくぎ付けに。「貴島さんは皆に対する愛情が大きいラブの人。いつもニコニコしているがバランス感覚もあり頼りがいがある。勝ち負けではないけど、キジ(貴島さん)を勝たせたいという思いでこのドラマに挑んだ。その結果、ウーマン・オブ・ザ・イヤー受賞? え? おめでとう!」というビデオメッセージが流れ、最後に画面の中から田中さんが投げキッスすると会場からは大きな歓声と拍手が湧き起こった。

 貴島さんは「2016年に深夜ドラマ枠で企画が通った時から、私を育ててくれたテレビ朝日の3人のプロデューサーのおかげで今がある。そしてたくさんのキャストやスタッフがこんな小娘を信じてついてきてくれて、たくさんの視聴者が見てくれたおかげ。これからも誰かを少しだけ笑顔にできる作品を作っていきたい」と涙ぐみながら語った。

「ブレイクドラマ制作賞」受賞のテレビ朝日 総合編成局 ドラマ制作部・貴島彩理さん
「ブレイクドラマ制作賞」受賞のテレビ朝日 総合編成局 ドラマ制作部・貴島彩理さん

 「イノベーティブ起業家賞」を受賞したのはシナモンCEO・平野未来さん。AIを活用して事務作業を効率化するシステムを開発し、ベトナムに開発拠点を据えて優秀なエンジニアを確保。約9億円の資金調達にも成功して注目を集めている。審査員の早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄さんから盾を贈られた平野さんは「1年前に第1子を出産した時、私たちがつくりだす社会は人類にとって必ずいい社会にせねばならないと思った。AIで働き方改革に取り組んでいるが、働き方を変える人は私だけではなくこの場にいる皆さん。今後は日本人、そして世界のすべての人々の支援を賜りたい!」と力強く会場に呼びかけた。

シナモンCEO・平野未来さんは「イノベーティブ起業家賞」を受賞
シナモンCEO・平野未来さんは「イノベーティブ起業家賞」を受賞

 「日本を伝えるメディア賞」を受賞したのはジャパンタイムズ 代表取締役会長・末松弥奈子さん。ウェブ全盛の時代に紙媒体のジャパンタイムズを買収し、日本の地方創生を「Satoyama」を通じて発信。さらに日本初の全寮制小学校開校を準備中だ。入山さんから盾を受け取った末松さんは「ジャパンタイムズは1897年に日本人の視点で英語で情報を発信するために創刊した日本初の日本人による英字新聞。日本の現在を、未来を正しく世界に伝えるという使命感で働いている。日本人の読者はまだ少ないので、もっと日本人に知ってほしい。また、今年7月に『The Japan Times Alpha』というビジネスパーソン向けの週刊英字新聞を創刊した。スモールトークにも役立つのでぜひ購読ください」と語った。

「日本を伝えるメディア賞」受賞のジャパンタイムズ 代表取締役会長・末松弥奈子さん
「日本を伝えるメディア賞」受賞のジャパンタイムズ 代表取締役会長・末松弥奈子さん

 「子育て支援サポート賞」を受賞したのは新生企業投資 インパクト投資チーム シニアディレクターの高塚清佳さんと黄春梅さん。二人が立ち上げたのは、国内の民間金融機関初のインパクト投資「子育て支援ファンド」。子育て関連事業を行う企業への投資を通じて、育児と仕事を両立しやすい社会の実現に貢献するものだ。二人には審査員の日本総合研究所理事長・翁百合さんから盾が授与された。

 高塚さんは「一緒にやってきた黄と二人で賞をもらえたことが何よりの喜び。チーム賞だと理解している。普段は女性・男性を意識せずに働いているが、今日はさまざまな取り組みをしている方と会い、女性がキラキラしている日本ってすてきだと思えた。この思いを胸にこれからも頑張りたい」と話した。また、黄さんは上司や同僚、自由な発想を受け入れてくれる職場環境への感謝を述べた後「上海から短期留学のつもりで来日したが、日本に魅了されて永久留学となり(笑)、20年たった。日本は投資大国なので、これまで新生銀行で築き上げてきたことを使って恩返ししていきたい」と熱く語った。

「子育て支援サポート賞」は新生企業投資 インパクト投資チーム シニアディレクターの高塚清佳さん(左)と黄春梅さん
「子育て支援サポート賞」は新生企業投資 インパクト投資チーム シニアディレクターの高塚清佳さん(左)と黄春梅さん

 特別賞を受賞したのは2018年2月の平昌五輪のスピードスケート個人種目で金メダルと銀メダルを獲得した小平奈緖選手。31歳、3度目のオリンピックでの快挙で、韓国人選手との友情でも注目され、今シーズンもワールドカップでの連勝記録を伸ばすなど進化し続けている。シーズン中のため小平さんからは「まだ32年しか生きていないから大きなことは言えないが、人生をその瞬間瞬間生き抜くだけ。自分で選んだ道だから成功しても失敗しても全部正解だというところを大切にしてきた。動けるうちはスケートを追究したいが、究めた先は子どもに夢や希望を届ける存在でありたい」というビデオメッセージが届けられた。