旧型の機械を使うクリーニング店の未来

――ペット以外にも多くの分野で機械化が進んでいますが、その逆を行くことで生き残りを図っている企業もあります。書籍では東京の小さなクリーニング店「クリンハウス」がその一例として紹介されていましたが、古い手法にこだわる企業は淘汰されてしまうのでしょうか?

鈴木:業種を問わず、昔ながらの手法を守り抜いている個人店の多くは苦戦を強いられています。しかし、果たして効率化は何よりも重視すべき項目なのでしょうか。「クリンハウス」は一度最新型の機械の導入に踏み切ったものの、1件のクレームをきっかけに既存のクリーニング方法に疑問を抱き、採算度外視で手のかかる旧式の機械に入れ替えたそうです。丁寧な仕上げにこだわるお店の姿勢に引かれ、長年通い続けている顧客も多いそうですよ。

黒川:私はドラマの中でクリーニング店の客として登場するんですが、Kis-My-Ft2の宮田俊哉さん演じる従業員の真野葉一に救われました。人一倍真面目で顧客思いな葉一のように、「クリンハウス」の方もきっと実直にお仕事をされているんでしょうね。

鈴木:私も一度宮田くんに会いましたが、取材で会ったクリーニング店の専務に雰囲気がそっくりでしたよ。顧客の気持ちをくみ、品質を重視する専務にぴったりだと感じました。

黒川:共演していて、宮田さんご自身もとても真面目な性格だと感じました。セリフを何度も確認したり、練習に付き合っていただいたり。

鈴木:クリーニングとドラマ、かけ離れたもののように思えますが、どちらも丁寧な姿勢がいいものを生み出すんでしょうね。この取材を通して、効率化ばかり追求すると日本は生きづらい国になってしまうのかもしれないと感じました。「クリンハウス」の専務は「生きているうちにもう1店舗出店できたら」と夢を語っていましたが、ドラマではどのような末路をたどるのでしょうか。今後の展開が楽しみです。

(第2回に続く)

第1回 「意外な人」の「意外な末路」が響く…「末路本」解説(この記事)
第2回 自分の末路を想像できる? 「末路本」で見えるもの
第3回 人々の「末路」が私たちの心のサプリになる理由

聞き手・文/華井由利奈 写真/小野さやか

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月曜深夜24時59分スタート
主演:横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永(Kis-My-Ft2)
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