「高齢者は家を借りられない」はウソ

石川:確かによく聞きます。でも、私はその手の話を聞くたびに、一体、何十年前の話をしているんだと思っています。少なくとも今は、「高齢だから」という理由で貸したがらない大家は少数派だと思います。少子高齢化が進む中、そんな理由で部屋を貸さなければ、大家だって商売が立ち行かなくなります。

 実際、月々の家賃を払えるキャッシュフローがあれば、それが年金であろうと生活保護であろうと、貸そうとする大家はたくさんいますよ。年齢や社会的地位は関係ありません。大事なのはキャッシュフローです。後は問題を起こさない人であれば、多くの大家は大歓迎なはずです。

――キャッシュフローですか。キャッシュフローなしだと家は貸してもらえませんかね。

石川:キャッシュフローなしにどうやって月々の家賃を払うのですか。

――こういう場合はどうなりますか。「もうあんまり働きたくない。年金受給には少し間があるが、早めに引退して、蓄えを取り崩しながら、読書したり散歩したりして、ストレスフリーな毎日を送ろう」。こんな考えの40~50代もいると思うんです。そういう場合、当然、年金もキャッシュフローもないわけで、どうすればいいんでしょう。貯金通帳を見せればいい? それとも6カ月分の家賃を前払いするとか。

石川:そんなことをすれば逆に怪しいですよ。まあ不動産賃貸は一つ一つが交渉事ですから、不動産屋さんに事情を話すしかないでしょう。でも資産がいくらあろうと、年齢にかかわらず、キャッシュフローが入る仕組みは持っておいた方がいい。

 資産の絶対額にかかわらず、貯金残高が目減りしていくプレッシャーには普通の人は耐えられません。それに人生は、いつどこで急な出費が発生するか分からない。

――仮にキャッシュフローが必要だとして、それは不労所得でもいいんですか。

石川:それは問題ないはずです。