会議は「3つ」に分けて、人選する

 会議「前」ステージで最初に考えるべきは、「誰を呼ぶか」に尽きる。それは逆に言えば、「誰を呼ばないか」、ということでもある。
 そのためには、「会議」の性質を理解しておかねばならない。その性質によって、人選が異なってくるからだ。

 会議の性質はたった3種類しかない。

 目的別に3つの種類、すなわち「決定」会議、「拡大」会議、「共有」会議。
 この種類によって人員を絞り込むのだ。3種類の会議を説明しよう。

◆「決定」会議
 この会議の目的は、「可決(OK)」か「否決(NG)」を決めること。そのため、決裁権者を中心に招集しなければならない。権限を持たない非決裁者は呼ぶだけムダになるので、ここは声を掛けない。
――呼ぶ人 決裁者、プレゼンター、ご意見番
――呼ばない人 非決裁者、平社員

◆「拡大」会議
 この会議の目的は、発想の拡大や飛躍。年齢に関わらず、発想力の豊かな人を選んでいこう。メンバーが男性ばかりなら、女性を加えると発想が格段に広がる。決裁者はアイデアを殺してしまいかねないので、呼ばない方が賢明だ。
――呼ぶ人 専門家、アイデアマン、多様性のある人材
――呼ばない人 批判家、超現実主義者、決裁者

◆「共有」会議
 この会議の目的は、「意思伝達」。メールでも可能だが、楽天のように対面する場合
は、ぬけもれに注意していく。
――呼ぶ人 関係者全員(ぬけもれ注意)
――呼ばない人 部外者

「決定会議」「拡大会議」「共有会議」―3種類の会議のそれぞれの人選
「決定会議」「拡大会議」「共有会議」―3種類の会議のそれぞれの人選

 このように、会議の種類に合わせて人選をする。しかし、これは言うほど簡単ではない。
 なぜなら「一応、呼んだ方がいい人」が存在するからだ。形式上、呼んだ方がいい彼らを「一応くん」と名付けよう。

 対照的に、会議に必要な人は「必要くん」だ。会議というのは、最少人数の「必要くん」で構成された方がうまく運営できる。

 なぜなら意見が活性化しやすく、論点もズレにくいからだ。
 
 「一応くん」も参加して会議の人数が増えれば、意見が活性化しないばかりか、論点も「枝」に流れやすく、時間がかかり、効率はガタ落ちする。

 そんな時、会議を招集する議長はどうすればいいのだろうか。
 キムタクを呼ばなかった元SMAPの中居リーダーに学べばいい。

 答えは、「目的に応じて適切な人を呼ぶ」。
 もっと言えば、「目的遂行できる人を呼ぶ」。
 いや、もっともっと言えば、「好きな人を呼ぶ」。
 さらに、もっともっともっと言えば、「キライな人を呼ばない」。

 ただし、呼ばれなかった「一応くん」は気分を害することになる。「一応くん」は、形式的に必要とされたい傾向が強く、「仲間はずれ」を嫌がるからだ。
 本当は呼びたくない「一応くん」に、どう対応すればいいのだろうか。