顔色を気にせず、一斉に発言する
ボルテージを上げる会議の前半部分で、水を差す人物がいる。
・発言をしない人
・右へならえの人
「発言しない人」はオーラを消して、我、関せずを決め込んでいる。
「右へならえの人」は影響力ある声の大きな人の陰に隠れて、自分の意見を言わない。こうした人物は1人残らず撲滅して、自分の意見を言える主体的な発言者に変えていきたい。
実は、これを解決し、一斉に発言させる魔法のツールがある。
高額なAI(人工知能)ツール? いやいや、数百円の付箋紙だ。
付箋紙に意見を書いてもらい、一斉に貼り出す。すると誰の影響も受けずに、自分の意見を言える。
ちょっとバカげたたとえだが、「カラスは何色か?」という議題があったとしよう。
絶対に逆らえない影響力ある人が「カラスは白に決まっている」と真っ先に発言すれば、大半は「そ、そうですね(汗)」と右へならいたくなる。「バカか。カラスは黒だろう」とは言いにくい。
だが、これでは自分の意見が言えずに会議が占拠されてしまう。
しかし、付箋紙に一斉に書き出して貼り出せば、「カラスは白」が少数派で、「カラスは黒」が圧倒的大多数であることが明白になる。
それを可能にするのが付箋紙の「一斉書き出し」と「一斉開示」だ。
意見が可視化されることで、頑固な「カラスは白」派も自分の意見を見直すことにつながる。
見える化、見せる化、見させる化
会議を拡散させ、活性化させる4つ目のコツは、「見える化」だ。
先ほどの付箋紙は、強力なツールだ。意見が「見える化」されるからだ。
会議の発言は、発言者の声帯を通り、ほかの参加者の鼓膜に届く。届くのだが、発言が重なると先に出た意見は忘れ去られる。
そうなると、せっかくいい意見が出ても、相乗りしにくくなってしまう。
そこで、人間のある習性を利用したい。
人は、「目で見て判断する」という習性だ。
会議の流れをホワイトボードに書き出す。付箋紙に意見を貼り出す。そうすると判断力が高まり、発言が活性化しやすくなる。ホワイトボードや付箋紙が会議室になければ、A3用紙でもいい。
A3用紙は、普段使うことの多いA4用紙に比べると大きい。
その大きさが、発想を拡大させる。
ただ、会議を仕切る議長が進行役と書記役の2役を兼務するのは、少々荷が重い。従って、事前に決めた書記役に意見を書き出してもらうと、進行がスムーズになる。
ホワイトボードに書く方法は色々あるが、最初はとにかくなぐり書きでいい。
慣れてきたら付箋紙に書き出し、ホワイトボードや壁に貼り出すのが一番効果的だ。
なぜなら付箋紙に書き出した発言は、自在に並べ替えられるからだ。
例えば、先ほどの「カラスは何色か」という議題の発言は、口にするだけでなく、まずホワイトボードに書いていこう。
さらに付箋紙で発言を貼り出すと、なお良い。ホワイトボードになぐり書きすると、意見を並べ替えづらいので、流れが整理しにくいからだ。
その点、付箋紙は着脱自由で意見の並べ替えや移動ができるため、流れが整理しやすい。
「見える化」することで、会議の流れを確認できれば、発言量が増えるばかりでない、もう1つのメリットがある。