次回の会議までに行うべきタスクを書き出すことである。会議の参加者全員が見えるよう、ホワイトボードなどに書くのが望ましい。

 そこでまとめるのは3つだけ。

「タスク」

「担当者」

「期日」

 例えば、ある会議が終了し、こんなことが積み残された。

・自部門支援のために、次回は担当役員にも参加してもらう方がいい
・効率的に目標達成するため、今期の予算を把握する必要がある
・競合情報なしに明確な打ち手が考えられない

 こんな積み残しがあるのに、ほっとひと安心とばかりに、会議室から出てはいけない。これらの積み残しは、部屋を退出した途端に、恐ろしい速度で忘れられてしまう。

 ここで、わずかな執念を燃やし、NEXT STEPを書き出すかどうかで、行動に差が出る。

 下のような要領でサクッと書けばいい。

 これらを書き出し、会議終了後に全員で確認してスマホで撮影しておく。

 本当にこれで行動が100倍速になるのか。

 何度も言うが、会議室を出た途端、参加者はみんな、会議の内容を忘れ去ってしまう。会議室を出て自分の席に戻ると別の仕事が待っているからだ。メールはたまる一方だし、電話もかかってくる。上司からの突発的な指示や顧客のクレームにも対応しなければならない。部下のミスをカバーすることもあるだろう。とにかく忙しく、会議で決めたことの優先順位があっという間に下がってしまうのだ。

 けれど、NEXT STEPを決めると逃げることができない。「タスク」「担当者」「期日」が、衆目一致で確認されてしまったからだ。

 「担当者」に名前が書かれた人は、期日までにタスクを完了していないと、次の会議で恥をかく。それでいい。そのプレッシャーが行動を100倍速にさせるのだ。

 もし、NEXT STEPを書かない場合、1週間後の会議は大きく変わってくる。

 下の表では、1週間後の会議の冒頭でのやり取りを比較した。

 NEXT STEPを書いた場合、前回の内容を踏まえて状況が前進している。一方、NEXT STEPを書かない場合、前回の内容を思い出すことに精一杯で、足踏みしていることがお分かりいただけるだろう。

 ここで問題になるのは「時間」だ。

 会議は参加者が集まる貴重な場だ。みんな、忙しい予定を調整して集まっている。前回の会議から1週間後であれば、168時間(24時間×7日)が経過している。

 NEXT STEPを書かずに「1週間、何も進展しない会議」と、NEXT STEPを書いて「1週間で進展した会議」では、時間差で168倍のスピード差が出てしまう。

 たかが3分のNEXT STEPを、あなどってはいけない。